木蓮の花

2025年ノーベル生理学・医学賞に、制御性T細胞を発見し、その働きを解明した、大阪大学の坂口志文特別栄誉教授が受賞されました。

制御性T細胞ってなに?

私自身はいつものように難しくてよくわからなかったのですが、受賞決定のニュースを見ていると、子供から大人まで多くの日本人がその細胞について知っているようでした。

どうやら『はたらく細胞』というマンガを読めばわかるようなのです。

『はたらく細胞』を実際に読んだ体験から、『はたらく細胞』について、内容や特徴、制御性T細胞が登場する巻、感想などをまとめました。

制御性T細胞とは?

制御性T細胞の発見と解明

制御性T細胞は、免疫の暴走を抑え、自己の体を攻撃しないようにする『免疫のブレーキ役』を担う特殊な免疫細胞です

1995年に坂口志文(さかぐち しもん)氏(現大阪大学特別栄誉教授)によって発見されました。

そして、制御性T細胞の発見とその免疫抑制機構の解明に対して、2025年ノーベル生理学・医学賞が授与されました

英語では、Regulatory T cell, Treg(ティー・レッグ)。

T細胞の中で制御性T細胞の割合は10 %程度だそう。

どのように分かれて成熟していくかの詳細は現在も研究途上です。

こうした基礎研究と治療に役立てる応用との両面から、世界中で研究が進んでいます。

ノーベル賞受賞のニュースで知った『はたらく細胞』

お恥ずかしながら、私自身はノーベル生理学・医学賞受賞のニュースで初めて制御性T細胞という名前を聞きました。

これまでと同様、どうせ一般人が聞いてもわからない、難しい研究なんだろうと思ったのですが、小学生でも知っている細胞だったのです!

どうやら、『はたらく細胞』というマンガに制御性T細胞が登場するようです

私自身、もともと生物は苦手で、あまり学習意欲がなかった記憶があります。

でも、マンガなら読めるかも、ちょっと勉強してみたいと思い、すぐに『はたらく細胞』を全巻まとめて購入しました。

『はたらく細胞』は体内細胞の活躍を描いたマンガ

『はたらく細胞』は全6巻

『はたらく細胞』は白血球と赤血球を中心とした体内細胞の活躍を描いた、細胞を擬人化したバトル漫画です

著者は清水茜(しみず あかね)氏。

第27回少年シリウス新人賞にて大賞を受賞。

『月刊少年シリウス』2015年3月号から2021年3月号まで『はたらく細胞』を連載。

2015年7月から2021年2月にかけて、講談社のシリウスKC『はたらく細胞』(全6巻)が出版されました

アニメ化、さらに実写映画化

『はたらく細胞』はTVアニメ化され、第1期は2018年7月から9月まで、第2期は2021年1月から2月まで放送されました。

さらに、実写映画が2024年12月に公開

赤血球を永野芽郁さん、白血球を佐藤健さんが演じています。

興収収入60億円を突破するメガヒット作となりました!

はたらく細胞シリーズ

原作者の清水茜さんが監修を務める、スピンオフマンガも多数出版されています

  • はたらく細菌
  • はたらく細菌Neo
  • はたらく細胞BLACK
  • はたらく細胞WHITE
  • はたらく細胞フレンド
  • はたらかない細胞
  • はたらく血小板ちゃん
  • はたらく細胞BABY
  • はたらく細胞LADY
  • はたらく細胞猫
  • はたらく細胞おくすり
  • はたらく細胞イリーガル
  • はたらく細胞マッスル

また、ノベライズをはじめ、はたらく細胞図鑑シリーズ、絵本、ドリルなど、さまざまな関連書籍が出版されています。

シリーズ累計発行部数1,000万部を突破!

さらに、英語版も発売されています。

タイトルは『Cells at Work!』

日本語の原作と読み比べて、英語の勉強にもなりそうです。

あまりに沢山ありすぎてどれを読もうか迷ってしまいますが、まずは、『はたらく細胞』を手に取ってみてください。

『はたらく細胞』はどんなマンガ?

『はたらく細胞』のあらすじ

『はたらく細胞』は白血球と赤血球を中心とした体内細胞の活躍を描いた、細胞を擬人化したバトル漫画です

人間1人あたりの細胞の数はおよそ37兆個! 

体内では、白血球、赤血球、血小板、B細胞、T細胞など、さまざまな細胞が24時間365日休みなく働き、外敵から身を守るため、バトルを繰り広げています。

ウイルスや細菌が体内に侵入した時、アレルギー反応が起こった時、ケガをした時など、体内細胞がそれぞれの役割を果たしながら、外敵から体を守ってくれています

ちょっとドジだけれど明るく健気な赤血球とクールに見えて実は心優しく、頼りがいのある白血球を中心に個性的なキャラクターが大活躍。

1巻は第1~4話、肺炎球菌、スギ花粉症、インフルエンザ、すり傷が襲撃します!

肺炎球菌は名前は聞いたことがある程度ですが、それ以外の花粉症やインフルエンザ、すり傷はとても身近で馴染みがあるので、興味深く読み進めました。

最初は難しくても、具体的な病気や怪我の症状に対して体内で起きることがわかりやすく描かれているので、免疫機能のメカニズムが少しずつ理解できるようになります。

制御性T細胞が登場するのは?

主役の赤血球や白血球は1巻の第1話から大活躍しますが、制御性T細胞はいきなり登場するわけではありません。

制御性T細胞が登場するのは、『はたらく細胞』コミックの5巻

T細胞が暴走しないように働きを制御し、免疫異常を起こさないように調整することが仕事です

クールで知的、どこかミステリアスな印象を与えるキャラクター。

登場シーンは少なくても、制御性T細胞は重要な役割を担っています。

『はたらく細胞』を読み進めるうちに、ニュースでは良く理解できなかった、将来的に花粉症やがんの治療に応用できる可能性があるという意味がぼんやりでもイメージできました。

『はたらく細胞』の特徴

  • 細胞を擬人化して、役割をわかりやすく描写
  • 外敵とのバトル
  • 絵が細かく、ちょっとシュール

細胞を擬人化して、役割をわかりやすく描写

細胞を擬人化するなんて、独創的な発想にただただ脱帽します!

細胞を擬人化した個性的なキャラクターが外敵と戦いながら、体を守ってくれる仕組みが描かれ、楽しく学べます

名前さえ知らなかった細胞も、何度も登場するうちに、少しずつ役割が掴めてくるのです。

外敵とのバトル

細菌やウィルスなど外敵のキャラクターも愉快です

細菌とウイルスの違いもわかります。

がん細胞はかなり怖いけれど、制御性T細胞が自己から発生した細胞だと認識して、がん細胞を守ったときにはどうなることかとハラハラ。

ニュースで制御性T細胞ががんの治療にも役立てられる可能性に言及されていたことを思い出し、実際に戦わなくても、重要な役割を担う細胞だと認識できました。

絵が細かく、ちょっとシュール

バトルシーンが多く、体内組織の状態が描写されているので、絵がかなり細かく、ガチャガチャした感はあります

全体的にシュールなので、好き嫌いが分かれそうです。

ただ、学べるマンガと思って読めば、むしろわかりやすく描かれていると感じます。

『はたらく細胞』はどこで買える?

全国の書店やオンラインショップ、電子書籍

紙のコミック派は全国の書店やオンラインショップ。

電子書籍派なら、オンラインショップ。

試し読みできるので、興味があればパラパラと読んでみませんか?

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング

Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングでも販売されています。

フリマアプリ

新品にこだわらなければ、フリマアプリで探すという手もあります。

メルカリで『はたらく細胞』を検索!すると、さまざまな組み合わせや状態のコミックが表示されます。

ひとつひとつ商品の詳細や状態を確認する必要がありますが、選択肢が大きく増えます。

中古品でも、新品同様のコミックをリーゾナブルに手に入れられるかもしれません!

メルカリ購入

マンガで学ぶ楽しさを再び

ノーベル賞受賞のニュースで、制御性T細胞ってなに?と思ったのをきっかけに、『はたらく細胞』を読みました。

ウイルスや細菌が体内に侵入した時、アレルギー反応が起こった時、ケガをした時などなど、白血球と赤血球を中心とした体内細胞が活躍して、身を守ってくれていることがわかります

血液検査の結果ひとつをみても、今までとは少し違う見方ができるようになり、なぜ花粉症になるのかなども理解できるようになりました。

体内で37兆個もの細胞がそれぞれの役割を果たすために、今この瞬間も働いてくれています。

人間の体ってすごいと改めて感じました

よく考えると、学校に通っていた頃、古典や歴史など、マンガで知識を深めていたものです。

研究や技術は日々進歩しています。

学校で学んだ頃の知識からアップデイトしなければ!

『はたらく細胞』を読んだおかげで、大人になっても、好奇心を持って、学び続けることの大切さを思い出させてくれました。

なにより、健康なときはもちろん、病気や怪我で辛い時も細胞達が一緒に戦ってくれているんだと思うと、心強く感じ、なんだか愛おしくなります。