本を読むのが好きで、小説、ビジネス書を中心に日常的に読んでいます。
紙の本が好きないわゆる『紙派』で、帰国後は図書館を利用しましたが、本が破れていたり、汚れていたり、ゴミが挟まっていたりして不快に感じることが度々あり、次第に足が遠のきました。
そんなわけで普段は紙の本を買っていますが、自治体の図書館に電子図書館サービスが導入されたことを知り、試しに利用しました。
いつでもどこでも無料で本を借りられる上に、電子書籍は汚れたり破損したりしないので、リアル図書館を利用しなくなった理由が解消され、とても満足して、継続利用しています。
本(紙、電子書籍)や図書館について思うこと、電子図書館サービスについて、日本の公共の電子図書館数の現状、電子図書館を利用する方法、実際に利用してみた感想をまとめました。
公共の電子図書館サービスについて
電子書籍とは?
そもそも電子書籍とは、スマホやタブレット、パソコンなどの端末の画面で読む電子データ化された書籍です。
閲覧用アプリを用いたり、電子書籍リーダーなどで閲覧します。
何度か電子書籍を読んでみて、海外に住んでいたら重宝しそうと思いつつ、個人的には紙の本の方が読みやすいと感じる『紙派』です。
手に取ってページをめくって読んでいくアナログ感が好き。
今どのくらい読み進めたのか、あとどのくらいなのか一目でわかり、手に取って読むせいか読んだ!という満足感があります。
なので、買うなら紙の本を選びます。
電子図書館とは?
電子図書館は24時間いつでも、パソコンや、スマホ、タブレットの端末を使って、電子書籍を借りて読むことができるサービスです。
無料で利用できます。
インターネットに接続できる環境で、端末から電子図書館のホームページにアクセス、または専用アプリを用いて電子書籍を貸出/返却します。
端末とWi-Fi環境さえあれば、いつでもどこでも無料で電子書籍を借りて読むことができます!
日本の公共の電子図書館数は増加中!
無料で電子書籍が借りられる公共の電子図書館は全国でどのくらいあるのでしょう?
電子出版制作・流通協議会(電流協)の資料から一部抜粋すると、
年月日 | 導入自治体数 | 電子図書館数 |
---|---|---|
2020年1月1日 | 90 | 89 |
2021年1月1日 | 141 | 137 |
2022年1月1日 | 270 | 263 |
2023年1月1日 | 461 | 368 |
2024年1月1日 | 534 | 426 |
全国の公共図書館のうち、電子図書館サービスを導入している自治体数と電子図書館数は、2020年から年々増加し、5年間で自治体数は約6倍、電子図書館数は約5倍に増えました。
それでも、2024年1月1日時点では、全国で電子図書館を導入している自治体の比率は29.9 %で、まだ全体の3割に及びません。
増えているとはいえ、まだまだ電子図書館を利用できる自治体は限られているのが現状です。
本を借りる魅力とリアル図書館で感じたこと
海外で日本語の本を借りて、視野が広がる
イタリア在住時は日本語の本が貴重で、友達と貸し借りをしたり、日本人が働いているショップやオフィスに在住者が持ち寄った日本語の本コーナーで借りたりしていました。
友達が持っている本や数少ない蔵書の中から、それまで読んだことのないジャンルや作家の本を手にして、最初は気が乗らなくても読み進めるうちに意外と面白くて、新しい発見をすることもありました。
自分で選んで買う本は、好みが偏りがち。
視野を広げる意味でも、幅広く本を借りて読むのも悪くないと思ったのです。
リアル図書館に通って感じたこと
海外で暮らすと、帰国後に日本語の本を読みまくる人が多いと聞いていたとおり、私自身も本を読みたい衝動に駆られて、何度か図書館に通いました。
図書館にはあらゆる分野の本が幅広く揃っていて、一度に数冊借りられ、何より無料なので、少しでも興味を持ったら、気軽に読めるのが魅力です。
残念なのは、きれいな本が少なく、どう扱ったらこんなふうになるんだろうと首を傾げたくなる程状態の悪い本が多いこと。
棚に並んでいる本は中を見て選べても、予約した本は持ち帰って開くと、破れていたり、食べカスや髪の毛が挟まっていたり、汚れていたりして、不快に感じたり、悲しい気持ちになることが少なくなく、だんだん足が遠のきました。
みんなが読む本だからこそ、一人一人がもっと大切に丁寧に扱えば、図書館を利用する人がもっと増え、気持ちよく本を借りられると思います。
公共の電子図書館サービスを体験してみた
電子図書館の利用手続きから電子書籍を借りるまで
たまたま開いた自治体の広報誌に掲載されていた電子図書館サービスの案内に目がとまりました。
在住・在勤・在学している人なら誰でも図書館の窓口で申し込めば利用できるとのこと。
電子図書館のウェブサイトを覗いてみると、読みたい本が何冊かあったので、早速最寄りの図書館に行って、申し込みました。
自治体によって違いはあると思いますが、実際に手続きをして電子書籍を借りてから返すまでの流れです。
- リアル図書館の窓口で、電子図書館の利用を申し込む
- 電子図書館のホームページにアクセス、窓口で受け取ったIDとパスワードを入力してサインイン
- 借りたい本を選んで[借りる]をクリックして、ダウンロードする
- 読み終えたら、[返却]をクリックする
一度リアル図書館に足を運んで利用手続きさえすれば、端末をインターネットに接続して、電子図書館のホームページからいつでもどこでも利用できます。
借りる時も返す時もクリックするだけで、とても手軽で快適です。
電子図書館の魅力5選、ここが便利!
数冊借りてみると、思った以上に使い勝手が良く大満足!
実際に利用して感じたメリットは、
- いつも新品!
- 時間が節約できる
- 好きなときに、好きな場所で、利用できる
- 貸出中の本の回転が早い
- 予約システムが使いやすい
いつも新品!
電子書籍は紙の本のように損傷することも汚れることもないので、いつも新品の本を買っているのと同じです。
私にとってはこれが一番のメリットで、リアル図書館を利用しなくなった理由がきれいに解消されました!
時間が節約できる
図書館に足を運ばなくても、本の貸出/返却ができるため、時間を有効に使えます。
好きなときに、好きな場所で、利用できる
インターネットにアクセスできれば、24時間365日、どこにいても利用でき、本を持ち運ばなくていいので楽です。
貸出中の本の回転が早い
貸出中の本を予約すると待ち時間が表示され、順番が来ると登録したメールアドレスに通知が届きます。
実際には、予約時に表示される待ち時間よりも早く順番がくることが多いです。
図書館に行かなくて良いので、時間や場所の制限を受けずに貸出/返却ができます。
なので、読み終えたらすぐに返却、メールで通知が届けばすぐに借りられて、時間のロスが少なくなります。
また、貸出期限が来ると自動的に返却されるので、遅延が発生しないのも回転が早い要因だと思います。
逆にうっかり返却し忘れることがないのも助かります。
予約システムが使いやすい
予約した本が借りられるようになると通知メールが届き、3日間の取り置き期間があります。
本を予約すると、いつ順番が回ってくるかわからないので、多少不便に感じる人もいるかもしれません。
でも、順番が来た時にタイミングが合わない場合は、先に次の人に譲って、その次に借りることができる[予約保留]という便利な機能が使えます。
電子図書館のデメリット
電子図書館にデメリットはあるでしょうか?
- 貸出し可能な書籍数が少ない
- 端末が必要
貸出し可能な書籍数が少ない
リアル図書館で電子図書館の利用申込をした際に職員さんに話を聞くと、まだまだ貸出し可能な電子書籍の数が少ないそうです。
実際に利用してみても、確かに書籍数は少ないと感じます。
特に新刊やベストセラーは蔵書が少なく、人気作家や今話題の本は買って読むことが多いです。
端末が必要
電子書籍を借りて読むには端末が必要です。
パソコンやスマホでも閲覧できますが、画面の大きさや使いやすさを考えるとタブレットが最適。
既にタブレットを持っていれば、電子図書館は利用しやすいですが、持っていなければ、少し使い勝手が悪いかもしれません。
電子図書館で本を借りて利用者を増やそう!
日本の電子図書館は発展途上
海外ではすでに電子図書館が普及していますが、日本の電子図書館はまだまだ発展途上です。
公共の電子図書館の普及率が低いため、利用できる人が限られ、さらに書籍の数が少ないのが現状です。
まだまだ利用できる人、借りられる本は限定的ですが、今後電子図書館が増え、蔵書が増え、サービスが向上することを期待します。
利用者としてできるのは、電子図書館の本をどんどん借りて読むことだと思います。
利用者が増えれば、電子図書館の数も蔵書数も増えていくはずです。
日本でも電子図書館が広がり、本をもっと気軽に読める環境が整えば良いなと思います。
電子図書館の電子書籍と紙の本の二刀流
全国的に見ても電子図書館を導入している自治体はまだ3割弱だとわかり、自分が住んでいる自治体で電子図書館サービスが利用できるのは、とてもラッキーだと思いました。
公共の電子図書館は無料で電子書籍が借りられ、一度手続きをすればいつでもどこでも自由に利用できるのが魅力です。
時々電子図書館のウェブサイトをチェックして、読みたい本があればどんどん借りています。
蔵書は少ないとはいえ、長編歴史小説、名作は充実している印象を受けます。
電子図書館にある本は借りて、なかったら紙の本を購入する
こんなふうに併用するようになり、読む本のジャンルが増え、とても快適です。
今は買うほうが多いけれど、電子図書館の蔵書数が増えて、そのうち逆転して借りる本の方が多くなればさらにお財布に優しく読書ができそうです。
電子書籍に慣れて、紙派から電子派になる日がくるかもしれません。
本を読むと世界が広がり、人生を豊かにしてくれます。
電子図書館に少しでも興味があれば、ぜひ一度お試しください!
電子図書館で本を借りて、読書生活を楽しみ、日本の電子図書館サービスの普及と向上に貢献しましょう!!!