
ネット銀行の口座数は毎年右肩上がりに増加しています。
とはいえ、メインバンクとして使われている銀行はゆうちょ銀行やメガバンクが上位を占めているのが現状です。
従来の銀行とネット銀行を併用して、ネット銀行をサブ口座として利用している人が多いのではないでしょうか?
私自身、ネット銀行の口座開設後はサブ口座として利用、数年間のお試し期間を経て、ようやくメイン口座に変更しました。
実際にネット銀行の口座をメインバンクに変更した経験を基に、ネット銀行をメイン口座にした理由やネット銀行のメリット・デメリット、メインバンクに変更するための手続きなどをまとめました。
ネット銀行の利用状況
ネット銀行の口座数は増加傾向
ネット銀行の口座数は毎年右肩上がりに増加しています。
とはいえ、メインバンクとして使われている銀行はゆうちょ銀行やメガバンクが上位を占めているのが現状です。
従来の銀行とネット銀行を併用して、ネット銀行をサブ口座として利用している人が多いのではないでしょうか?
私自身もそのうちの一人でした。
そもそも、ネット銀行の使い勝手を体験するために開設したので、学生の頃から使っている、いわゆる従来の銀行がメイン口座で、ネット銀行はサブ口座として利用してきました。
ネット銀行の口座を開設、サブ口座に
試しにネット銀行の口座を開設して、4年余り。
ネット銀行は主に定期預金と証券口座との連携サービスを利用。
利用頻度は年に数回程度。
1年、2年と利用するうちに、ネット銀行のサービスに慣れ、いっそネット銀行をメインバンクにしたほうが便利なのでは?と思うようになりました。
ネット銀行をメインバンクにした理由
- スピーディで便利
- セキュリティリスクを体感できた
- よりメリットを受けられる
スピーディで便利
ネット銀行はさまざまなサービスがオンラインで利用できるので、スピーディで便利。
特に、速くて便利だと感じるのは、
- 24時間365日取引可能
- 場所を選ばず取引可能
実店舗の場合、営業時間に合わせて出向く必要がありますが、ネット銀行では、スマホやパソコンからいつでも入金、出金、振込、残高照会などの取引ができます。
窓口やATMに足を運ばなくても、自宅や外出先など、どこでも手続きができます。
現金の入出金は金融機関やコンビニなどの提携ATMを利用するので、時間の縛りが緩いのもメリットです。
セキュリティリスクを体感できた
ネット銀行を実際に利用することで、リスクを体感したり、向き不向きを判断したりできます。
私の場合、ネット銀行を利用する前に、一番不安に感じていたことはセキュリティの問題です。
なので、ネット銀行の口座を開設して、すぐにメイン口座として利用せずに、サブ口座として、いわゆるお試し感覚で利用しました。
IDやパスワードの管理は面倒とはいえ、ネット銀行を安全に利用するためには必須。
そして、利用していない金融機関などから迷惑メールが大量に届きますが、とにかく開かないよう、誤って開いてしまっても、絶対にIDやパスワードなどの情報を入力しないようにしています。
煩わしいですが、最新の注意を払って利用すれば、不正アクセスを防ぐことができます。
きちんと対策をして活用するなら、ネット銀行を利用する価値はあるし、逆にデジタルへの苦手意識を払拭できなかったり、不安が先行したりするなら、向いていないのかもしれません。
個人的には、リスクがある以上、不安はゼロではないけれど、そこまでストレスは強くなく、対策を怠らなければ、セキュリティ面のデメリットよりもメリットのほうがはるかに大きいと判断しました。
よりメリットを受けられる
ネット銀行を数年間利用するうちに、サブ口座としてさまざまなメリットを受けながら、メイン口座にすればさらにメリットを活かせると思うようになりました。
特に、ネット銀行のメリットとして挙げられる、
- インターネット上でいつでもどこでも利用できる
- 各種手数料が安い
については、利用頻度が高い程、メリットになるはず。
メイン口座として利用すれば、入金確認は通帳記帳するためにATMに足を運ばなくても、オンラインで完結。
ATM利用手数料や振込手数料が無料になる回数内に抑えれば、現金の入出金は手数料無料、資金移動もオンラインで好きな時間にラクに手数料無料で手続きができます。
ネット銀行のメリット
- インターネット上でいつでもどこでも利用できる
- 預金金利が高い
- 各種手数料が安い
- 口座連携サービスなどの独自サービス
- 届出印が必要ない
インターネット上でいつでもどこでも利用できる
ネット銀行の特徴として、実店舗がないため、全ての手続きをインターネット上で行います。
従来の銀行は営業日や営業時間に合わせて店舗に足を運ぶ手間や窓口の順番を待つ時間が発生したりしますが、ネット銀行では口座開設から振込など各種取引がインターネット上で完結。
便利でタイパやコスパが良いのが最大のメリットです!
預金金利が高い
ネット銀行は店舗を持たないため、コストが低く抑えられます。
そのため、普通預金、定期預金共にメガバンクや地方銀行など従来の銀行よりも預金金利が高く設定されています。
この数年、世の中の情勢が少しずつ変化して、長く続いた金利のない世界から少しとはいえ金利のある世界へ移行したことを実感する人が多いのではないでしょうか。
また、楽天銀行や住信SBIネット銀行、SBI新生銀行では、それぞれ楽天証券やSBI証券と口座を連携させると金利がアップする、独自サービスが提供されているのも魅力です。
各種手数料が安い
ネット銀行はATM利用手数料や振込手数料が従来の銀行に比べて安い傾向にあります。
さらに、ATM利用手数料や振込手数料や○回までなら無料という特典も!
無料回数を超えても、メガバンクや地方銀行よりも手数料は安く設定されているので、大きなメリットになります。
自分の生活スタイルに合わせて、ネット銀行のサービスを利用すると手数料などの負担を軽減できます。
口座連携サービスなどの独自サービス
ネット銀行では、証券口座と連携するサービスやポイントサービスなど独自のサービスが提供されています。
特に、口座連携サービスは私自身も利用していて、ものすごく便利です。
口座連携サービスを利用すると、資金移動が自動化され、資産管理が簡単になるだけでなく、連携した銀行口座の預金金利が優遇されたり、取引手数料が安くなったりするなどの特典が受けられます。
口座連携サービス
ネット銀行 | 証券会社 | 連携サービス名 |
---|---|---|
楽天銀行 | 楽天証券 | 楽天マネーブリッジ |
住信SBIネット銀行 | SBI証券 | SBIハイブリッド預金 |
SBI新生銀行 | SBI証券 | SBIハイパー預金 |
楽天銀行と楽天証券を連携する楽天マネーブリッジでは、自動入出金(スイープ)や、楽天銀行の優遇金利サービスが受けられます。
住信SBIネット銀行とSBI証券を連携するSBIハイブリッド預金では、銀行口座から自動入出金や優遇金利などのサービスが受けられます。
具体的には、SBI証券で証券取引を行うとき、証券口座に入金操作をしなくても、SBIハイブリッド預金残高が買付余力に反映されます。
また、証券口座から出金操作をしなくても、配当金や売却資金を自動的にSBI証券の口座から銀行口座に移動させることができます。
つまり、SBI証券との資金移動がラクに行え、銀行口座の残高で証券取引ができるのです!
また、定額自動振替を設定することで、NISAなどの投資資金を定期的に自動で代表口座から仕分けしておくことができます。
SBI新生銀行とSBI証券を連携するSBIハイパー預金は、SBI新生コネクトを進化させたサービスで、2025年9月にスタート、SBIハイブリッド預金と同等の機能を持ちます。
No.1ネット証券ではじめよう!株デビューするならSBI証券届出印が必要ない
ネット銀行で口座を開設するにあたって、届出印が必要ありません。
従来の銀行で複数口座を持っていると、届出印がわからなくなったり、紛失したりして手続きが滞ることがありますが、こうした問題から無縁に!
さらに、引落口座の変更や振替口座の変更をする際は、届出印を捺印する必要がないため、オンラインで手続きが完了、郵送よりもはるかに速く手続きができます。
ネット銀行のデメリット
- セキュリティ対策が必要
- 通帳は発行されない
- ATM利用手数料の無料回数の設定
- 引き落としや振替口座に設定できない場合がある
- メンテナンスやネットワーク障害の際に使用できない
- 対面で相談やサポートを受けられない
セキュリティ対策が必要
インターネットバンキングでは、IDやパスワードが第三者に知られることによって不正利用されてしまうリスクがあります。
特にフィッシング詐欺では、インターネットバンキングが最も狙われるサービスの1つ。
各行では、厳重なセキュリティ対策が講じられていますが、ネット銀行を利用する際は、なりすまし等による不正アクセスについて細心の注意を払う必要があります。
主な注意点は、
- IDやパスワードは大切に保管する
- 複雑なパスワードを設定する
- SMSやメールを開く際は注意する
- 多要素認証(MFA)を利用する
ログインの際に必要となるIDやパスワードの管理は基本中の基本。
パスワードは、第三者に類推されることがないよう複雑なものを設定して、他のサービスと同じパスワードを使いまわさないように注意します。
スマホやパソコンに送られるSMSやメールには、マルウェアが含まれている可能性があります。
見覚えのない送付先から届いたSMSやメールは、安易に添付ファイルを開いたり、リンクをクリックしたりしないように注意が必要です。
IDとパスワードに加えて、もうひとつ認証方法を追加して本人確認を行う多要素認証(MFA)の利用も有効な対策です。
MFAとは、 Multi-Factor Authentication の略で、システムやサービスへのログイン時に、認証方法の3要素である知識情報と所持情報、生体情報のうち、2つ以上の異なる要素を組み合わせて本人確認を行うセキュリティ方法です。
具体的には、秘密の質問を設定する知識認証、SMSで送られてくる認証コードを入力する所持認証、スマホでログインする際の顔や指紋等による生体認証などが挙げられます。
ログインの度に認証を行うのは面倒とはいえ、資産を守るために必要な対策と割り切るしかありません。
通帳は発行されない
ネット銀行で口座を開設しても通帳は発行されません。
取引履歴や預金残高はインターネット上で確認します。
普段、通帳記帳して預金管理する人にとっては、不便に感じるかもしれませんが、慣れてくるものです。
個人的には、本当は通帳があったら嬉しい派で、通帳があると、きちんと記帳して管理しますが、通帳がないのはイタリアの銀行で経験済み、なかったらなかったで対応できます。
ATM利用手数料の無料回数の設定
多くのネット銀行では、ATM利用手数料の無料回数が設定されています。
土日祝日や営業時間帯に関わらず、規定回数までは無料で利用できるのは便利ですが、従来の銀行では、平日の営業時間帯は何度利用しても手数料はかかりません。
なので、人によってはデメリットになるかもしれません。
コストを抑えて利用するためには、ATM利用手数料や無料回数を比較した上で、自分の用途に合った銀行を選んだり、ランクアップして無料回数を増やしたり、ATMの利用回数を減らす工夫をしたりする手があります。
引き落としや振替口座に設定できない場合がある
ネット銀行の預金口座は、公共料金や税金の引落口座やクレジットカードなどの支払口座に設定できない場合があります。
口座振替や引落口座は、収納機関が指定する金融機関からしか選べません。
なので、メインバンクとして使うと、支障をきたす可能性があります。
とはいえ、設定できるネット銀行は着実に増え、改善されている印象を受けます。
実際、1年前はあるクレジットカードの引き落としに対応していなかったネット銀行が今年は設定できるようになっていました。
メンテナンスやネットワーク障害の際に使用できない
ネット銀行では、ネットワーク障害等が発生して接続ができない状態になると手続を行うことができません。
また、銀行が実施するシステムメンテナンス中も利用制限がかけられます。
システムメンテナンスについては、予めメール等で実施日時のお知らせが届くので、確認して、必要に応じて事前に対応すれば、特に困ることはありません。
対面で相談やサポートを受けられない
実店舗を持たないネット銀行では、一般的に対面での相談やサポートを受けることができません。
ネット銀行では、電話やメールでの問い合わせになるため、それを不便に感じたり、対面のサービスを求めたりするなら、ネット銀行をメインバンクにするのに向いていないと言えます。
私の場合は、もともと窓口で相談やサポートを受けることがなかったので、特に気になりませんでした。
ネット銀行をメインバンクにするための手続き
- 給与振込口座や各種引落口座に設定可能か確認する
- 給与等振込口座を変更する
- クレジットカードの引落口座や口座振替を変更する
- 口座変更が完了するまで待つ
Step 1 給与振込口座や各種引落口座に設定可能か確認する
まずは、メインバンクにしたい銀行が給与振込口座とクレジットカードの支払いや口座振替の引落口座に指定されているか確認します。
以前はネット銀行は給与振込口座や口座振替、引落口座に指定されていないことが珍しくありませんでしたが、ネット銀行の利用者が増える中、給与振込口座や引落口座に設定できるネット銀行が増えています。
少し前まで対応していなかったネット銀行が新たに設定できるようになっていることもあるので、最新の情報をチェックしましょう。
Step 2 給与等振込口座を変更する
会社の担当部署に連絡して、給与振込口座の変更の手続きの方法について確認します。
その方法に従って、手続きをします。
Step 3 クレジットカードの引落口座や口座振替を変更する
クレジットカード会社のウェブサイトで引落(支払)口座の変更手続きの方法について確認します。
引落口座の変更については、郵送又はオンラインで手続きをします。
現在はオンラインで引落口座の変更手続きができるクレジットカード会社が増え、ネット銀行に変更する場合は、オンラインで完了するケースが多いので、郵送よりもスピーディに手続きできます。
口座振替もクレジットカードと同様で、各会社のウェブサイトで確認、または問い合わせをして手続きをします。
口座振替を利用しているサービスが多いと、ひとつずつ変更手続きをするのは手間がかかります。
口座振替が唯一の選択肢になる場合はどうしようもありませんが、この際、クレジットカード払いに変更するのもひとつの手です。
私の場合、以前地銀の口座を解約する前に、いくつかのサービスを口座振替からクレジットカード払いに変更したので、メインバンクを変更する手続きはラクでした!
これを機に、不要なクレジットカードを解約して、変更手続きをする件数を減らすのも有効です。
Step 4 口座変更が完了するまで待つ
オンライン手続きは郵送よりも速いとはいえ、変更手続きが完了するまで、一定の日数はかかります。
その間、支払金額のお知らせが届いたら、引落口座を確認します。
全て変更されたら、メインバンクの変更完了!
銀行口座の見直しとネット銀行の2つの形態の違いや特徴については、下記の記事に詳しくまとめています。

銀行口座の解約については、下記の記事に詳しくまとめています。

ネット銀行をメインバンクにしてより便利な生活に!
お試し的にネット銀行を利用し始めて数年、実際に利用しながらデメリットよりもメリットのほうが大きいと感じました。
なので、ネット銀行をメインバンクとして活用することに決めました。
もっと早く決断しても良かったのかもしれませんが、思い立ったら吉日。
メインバンクを変更するのは面倒といえば面倒ですが、先延ばしにしないで、決めたら即実行。
私の場合、この数年で不要な銀行口座を解約したり、口座振替をクレジットカード払いに切り替えたり、ある程度整理したので、変更するための手続きにそれほど手間はかかりませんでした。
少しずつシンプルな生活に向かって前進できていると実感。
ネット銀行をメインバンクとして活用して、セキュリティ対策には細心の注意を払いつつ、より便利で快適な生活のベースを築きます。