3月8日は国際女性デー(国際女性の日)。
日本でも近年少しずつ認知度が上がっていますが、私が初めてこの記念日を知ったのはイタリアです。
イタリアでは、3月8日に、男性から女性に感謝の気持ちを込めて、春の訪れとともに咲くミモザを贈るという素敵な習慣があります。
イタリアのミモザを贈る『女性の日』について、祝い方やミモザがシンボルに選ばれた理由、『国際女性デー』との関係を紹介します。
イタリアでは『女性の日』にミモザを贈る
3月8日は『女性の日』
イタリアで初めて迎えた3月8日、ルームメイトのイタリア人女性の部屋には大きな花束が花瓶に生けられていました。
お誕生日?!と思って話しかけると、「今日は『女性の日』 (Festa della Donna) よ!彼がプレゼントしてくれたの。」と、とても嬉しそう。
「3月8日は男性が周りの女性に日頃の感謝の気持ちを込めてミモザを贈ったり、女同士で遊びに出かけたりして祝うのよ。」と教えてくれました。
イタリア語で『女性の日』 は Festa della Donna (フェスタ・デッラ・ドンナ)、女性は donna (ドンナ)、複数だと donne (ドンネ)です。
イタリアでは、3月8日は男性が女性に感謝の気持ちを伝える『女性の日』なのです。
『女性の日』があることを、初めて知りました。
その夜、外国人のルームメイトやその女達と遊びに行くと、ウェイターから小さなミモザをもらいました。
明るい黄色で丸くて可愛らしいミモザ、初めてもらって嬉しくて心がうきうきしたのを覚えています。
イタリアの街がミモザ色に染まる
『女性の日』には、特別な女性だけではなく、家族や友達、会社の同僚、店のお客さんなど、身近な女性にミモザを贈ります。
小さな一輪をさりげなく手渡したり、立派なブーケをプレゼントしたり。
イタリアで広く親しまれ、毎年3月8日は街中がミモザ色に華やぎます。
日頃家事や子育てに奮闘している女性もこの日ばかりは女同士で遊びに出かけたり、ミモザを手に歩く人を見かけたり、ショーウィンドーやレストランのテーブルにミモザが飾られていたり、街のあちこちをミモザが彩り、とても華やかで賑やかな一日です。
イタリアでミモザが贈られる理由
イタリアでは、1946年に女性連合 (L’Unione Donne Italiane) の女性の提唱によりミモザを贈る習慣が始まりました。
ちょうどこの時期に花を咲かせ、身近に生育しているのでお財布に優しく、手軽に感謝の気持ちを込めて贈ることができるため、『女性の日』のシンボルとしてミモザが選ばれたそうです。
ミモザの黄色は明るく、エネルギーに満ちたポジティブな色。
甘くて優しい香りがします。
エネルギッシュな力強さと優しさを備えた女性のイメージと重なり、『女性の日』のシンボルとしてぴったりの花だと思います。
イタリアの3月8日は、街を彩るミモザと共に人々が感謝と希望に満たされる日です。
春の訪れを告げるミモザの花
ミモザはどんな花?
ミモザはアカシアのなかでフサアカシアという種類で、オーストラリア原産ですが、ヨーロッパの風土に適しているのかイタリアではあちこちで生育しています。
常緑花木で15mくらいまで成長し、春先に黄色の房状の花を咲かせます。
日差しが明るく温もりを感じ始める頃、フィレンツェの郊外に出ると、鮮やかな黄色の花を咲かせたミモザをよく見かけました。
陽光にキラキラと輝いて、春の訪れを感じさせてくれます。
見ていると明るい気持ちになって、元気がでます。
甘くて優しい香りにも癒されます。
ミモザの花言葉とは?
ミモザの花言葉は、
- 感謝
- 思いやり
- 友情
- 密かな愛
大切な人に感謝の気持ちを込めて贈るのにぴったりの花です。
イタリアの『女性の日』と『国際女性デー』との関係
『女性の日』は国際的な記念日
恥ずかしながら、長い間、『女性の日』はイタリア独自の記念日だと思っていました。
さすが女性を大切にするイタリア!日本にもこんな記念日ができたらいいなと。
3月8日が『国際女性デー』と呼ばれていることを知ったのはずっと先のことです。
ミモザを贈るのはイタリア独自の習慣ですが、『女性の日』は国際的に定められた記念日だったのです。
『国際女性デー』は国連により制定された記念日
『国際女性デー』は女性の権利と政治的、経済的分野への参加に対する支援を共にもり立てていくために、1975年に国連(国際連合)により制定されました。
その起源は諸説あるようですが、1904年3月8日にアメリカで女性労働者が参政権を求めて起こしたデモがきっかけと言われています。
その後、北米とヨーロッパで女性の社会参加と権利向上を求めて運動が行われ、国際的に広がりを見せました。
『国際女性デー』には世界中で記念行事が行われ、これまで女性が達成してきた成果を讃えると同時に今後のジェンダー平等と女性のエンパワーメントの実現に向けた取り組みを推進しています。
『国際女性デー』とミモザ
近年は『国際女性デー』にミモザを贈る習慣が国際的に広がっているようです。
イタリアの『ミモザの日』が世界に広がっていくのは素敵なことだと思います。
日本でミモザを贈る習慣がありませんが、毎年3月8日を迎える度に、「今日は女性の日!」と黄色に輝くミモザの花と感謝と希望に満ちた街の光景が思い浮かびます。
『国際女性デー』の認知度が少しずつ上がり、イタリアの『女性の日』のシンボルであるミモザの話題が取り上げられる機会が増えているように感じます。
ミモザを通して、世界中の女性が生き生きと活躍できる社会の実現に向けて、ジェンダー平等や女性のエンパワーメントの現状や課題について考えてみるのは良いことだと思います。
多様性が謳われる時代、ひとりひとりが感謝と希望を持って、輝ける社会になれば素敵です!
感謝の気持ちを持つことは大切だし、それを伝えることも大切です。
イタリアの『ミモザの日』はそのことを実感するきっかけをくれた素敵な記念日です。