オープンから25年、全国からファンが集うたま木亭のパンの魅力を探る

京都市の隣、宇治市に店舗を構えるベーカリー『たま木亭』。
たま木亭には、食パンをはじめ、菓子パン、惣菜パン、食事パンなど多種多様な焼き立てのパンが並びます。
2026年2月、たま木亭は25周年を迎えました。
25年間、地元はもちろん、全国からオリジナリティ溢れる焼き立てのパンを求めて、老若男女が足を運ぶ行列の絶えない店であり続けています。
たま木亭のパンを長年愛食する体験を基に、たま木亭の歩みやパンの特徴、独断と偏見で選んだお気に入りのパンなどを紹介します。
たま木亭は2026年2月で25周年
25周年記念イベントの開催
2001年2月にオープンした、たま木亭。
2026年2月、25周年を迎えるにあたって、1月31日と2月1日の2日間、25周年記念イベントが開催されました。
イベント内容は、
- 製造スタッフ代表4名がそれぞれ考案したパンの販売
- クリスマス期間に発売されていた『黒豆のシュトーレン』を通常価格2,300円(税抜)を特別価格の1,500円(税抜)で数量限定販売
- イベント期間中来店したお客様にオリジナル缶バッジ or キーホルダー(1会計につき1つ)をプレゼント
イベント前にエントランスに貼られたお知らせを見ると、期間中は撮影が入るとのこと、どこの取材なんだろうと興味津々。
撮影隊はどうやらあの情熱大陸だったのです!
選ばれたスタッフさんの手でどんなパンが作られるのかとても興味があり、オリジナルグッズももらえたら嬉しいとは思いつつ、ただでさえ長い行列ができる土日、並ぶ覚悟ができずにイベントの参加は見送りました。
たま木亭の歩み
たま木亭は2001年2月に地元宇治市の黄檗駅近くにオープン。
マンションの1階の小さな店舗で、8畳程の売場に所狭しとパンが並んでいました。
食事パン、惣菜パン、菓子パンまで約70種類のパンが店頭に並び、常に店外にも列が絶えない人気店に成長。
2015年7月に現店舗に移転して、リニューアルオープン。
売場も厨房も以前の3倍程広くなり、解放感のある空間です。
オープンキッチンなので、約100種類のパンがズラリと並ぶ売場から、パンが次々に焼き上がる様子を見ることができるようになりました。
その後、食べログの100名店に2017~20年と2022年に選出されます。
現在も食べログで発表された京都府にあるパンのお店のランキング(2026年2月1日更新)で堂々1位に輝いています。
たま木亭はパン好きなら一度は行ってみたいと思うすごいベーカリーなのです!
全ての生地が店主の手から生まれる
たま木亭は百貨店や商業施設への出店やネット通販はしていません。
なので、たま木亭のパンを食べるには、宇治市の店舗まで足を運ぶ必要があります。
なんと、たま木亭では、店主の玉木潤氏が全ての生地を管理して、焼き上がりまでの全ての行程にチェックを入れ、一日を通して、フレッシュな状態で作り続けているそう。
来店した人々に期待以上に感動してもらいたいという願いからの選択なのです。
そんな店主玉木潤氏とはどんな方なのでしょう?
生まれは京都府宇治市、実家は宇治駅通り商店街にあるベーカリー。
高校卒業後、京都製菓技術専門学校、日本パン技術研究所を経て京都センチュリーホテルに2年勤務。
その後、名店ドンクで勤務。
1996年に世界中のパン職人が技術と味を競う『クープ・ドゥ・モンド・ドゥ・ラ・ブーランジュリー』(ベーカリー・ワールドカップ)に日本代表の一員として出場し、総合4位入賞。
2001年2月に独立して、地元宇治市にたま木亭をオープン。
こんなスゴイ経歴の持ち主があえて宇治市に開店されたのは、きっと地元への愛着が強い方なのでしょう。
写真を拝見すると、どっしりと威厳のある少し強面、職人気質がひしひしと伝わってきます。
そんな玉木氏のパン作りへのこだわりと熱い想いから生まれる、焼き立てのアツアツのパンが並ぶのがたま木亭なのです。
たま木亭で実際に販売されているパンの数々を、基本の生地とその進化系というくくりで、コメントやレシピが紹介されている『忘れられないパン 「たま木亭」』が出版されています。
たま木亭のパンの特徴
たま木亭のパンは、オープン当初から長く愛されるパンが多くある一方、新作やリニューアルされたパンもあり、常に進化を続けています。
たま木亭のパンの特徴をざっくりまとめると、
- 生地そのものが絶品
- 厳選された具材
- 具材を惜しみなくたっぷり使用
- シンプルなパンにもオリジナリティ
- ボリューム満点
生地そのものが絶品
たま木亭のパンはとにかく生地がおいしい!
具材たっぷりの惣菜パンや菓子パンは華やかで目立ちますが、たま木亭のパンの真価は生地だけで勝負するバケットや食パン、十勝コンプレなどのシンプルな食事パンにこそあると思います。
食パンの袋を開ける時、バケットをカットする時、焼き立てのパンならではの香ばしく、小麦のやさしい香りがふわっと立ち上がります。
パンの種類によって、生地の質感や味わいはそれぞれ違いますが、どれもクラストのパリッと香ばしい風味とクラムのやわらかい風味のハーモニーが楽しめます。
特にバケットや十勝コンプレなどの食事パンのクラストはしっかり固めで、噛む度に小麦本来のやさしい甘さが味わえます。
実際、たま木亭の食事パンはいつ食べても、ブレない美味しさ。
たま木亭のパン生地からは、食感や風味をとても大切にされていることが感じ取れます。
焦げる直前までしっかり焼いて香ばしさを最大限に引き出した、攻めた焼き加減も絶妙。
心を込めて作られた生地は食事パンだけでなく、惣菜パン、菓子パン、全てのパンのベースです。
フランスパンの生地、もちもち、サクサク、ザクザク、クッキー生地など複数の種類の生地から、さまざまな具材との組み合わせで、多種多様なパンが生まれます。
厳選された具材
たま木亭のパンのすごさは惣菜パンやサンドイッチ、菓子パンに至るまで、使われる全ての具材のクォリティの高さにもあります。
例えば、カレーパンのじっくり煮込んだ自家製カレーは、カレーライスとして食べてみたいと思う程味わい深い。
人気のベーコンハースやパンシューなどに使われるベーコンにしても、原木の角切りベーコンがゴロンゴロン入っていて、肉感がじゅわーと感じられ、その旨みが生地に馴染んで一体化しています。
ハムやチーズなども、それだけで食べても満足できる良質の食材ばかり。
菓子パンに使われるドライフルーツやチョコレート、栗の甘露煮、ナッツもしかり。
そして、人気のクニャーネのクリームやクリームパンに使われるカスタードクリーム、あんこなど、どれをとってもクォリティの高さを感じられます。
小麦の風味を活かした最高の生地と選りすぐりの具材のマリアージュによる相乗効果で、たま木亭でしか作れないパンが出来上がります。
具材を惜しみなくたっぷり使用
その厳選された素材が惜しみなくたっぷりと使用され、ゴロンゴロンと入っているのがたま木亭のパンの特徴のひとつ。
ベーコンやチーズ、ハムからドライフルーツやチョコレート、ナッツまで、これでもかと言う程がっつりと入っているので、物足りないと感じることはまずありません。
カレーパンのカレーやクリームパンやクニャーネのクリーム、洋風あんパンのあんこなどもずっしりと重さを感じられる程、たっぷりと詰まっています。
存在感のある具材と生地が融合したオリジナリティ溢れるパンが楽しめるのです。
シンプルなパンにもオリジナリティ
たま木亭には、独創的なパンが賑やかに並んでいます。
なかには、具材の意外な組み合わせに驚くようなパンも。
ユニークなパンを見ると、どんな味がするのか興味を持ったり、どんな風に発想されたのだろうと想像を巡らしたりして、ワクワクします。
食パンやクロワッサンなど、定番のパンもたま木亭ならではのこだわりがあります。
例えば、クロワッサンたま木の表面にはロデオ生地が貼り付けられ、パリッと香ばしい独特の食感を出しています。
一般的なクロワッサンとはひと味違うのです。
2018年5月誕生のたま木亭オリジナルクリームパンは、長く愛されるパンのひとつ。
タカナシ乳業のチルドバター、生クリーム、マダガスカル産バニラビーンズを使用したオリジナルカスタードクリームがフランスパンに近い口溶けの良い生地で包まれています。
クリームを使ったパンはバリエーションが豊富。
少なくとも10種類くらいはありそうです。
オリジナルカスタードクリームを包む生地によって、食感や味のバランスが変わります。
他にも、ベルギー産チョコのクリームパン、ほうじ茶やブルーベリーの生地のクリームパンなど、さまざまなバリエーションのクリームパンが迎えてくれます!
食べ比べて自分好みのクリームパンを見つけるのも楽しいです。
ボリューム満点
たま木亭のパンは食べ応えがあり、がっつり、お腹を満たしてくれます。
ひとつひとつが大きく、具材がたっぷりと使われ、ずっしり重さを感じるパンも少なくありません。
近年の小麦や食品価格の高騰を受けてか、一回り小さくなったと感じるパンもありますが、全体的にサイズは大きめ。
あれもこれも食べたくても、2つ食べるとお腹いっぱいに。
一般的にパン屋さんは女性客が多い印象がありますが、たま木亭には学生からシニアまで幅広い世代の男性客が多いのも特徴。
きっとこのボリューム感も魅力なのだと思います。
たま木亭のお気に入りパン5選
たま木亭のパンを長年食べている私自身が独断と偏見で選んだ、お気に入りパン TOP5 をご紹介します。
- スヴィンゴールド
- 角食
- 山栗ショコラ
- クリームパン
- パンシュー
あくまで個人的見解です。
正直めちゃくちゃ悩みました。
TOP10だと、このブログでご紹介したカレーパンやクロワッサンなどが確実にランクインするのですが、5つに縛るのは簡単ではありません。
人気のクニャーネも大好きですが、私の中ではパンというよりスイーツなので、今回はランキング外に。
また、ゆで卵が苦手で、卵サンドやウッフなど食べたことのないパンがあるので、ご了承ください。
1位 スヴィンゴールド

スヴィンバゲットはたま木亭のバゲットです。
スヴィンバゲットの手書きのポップには、
たま木亭の店主玉木潤と日清製粉共同開発スヴィンゴールドを使用したフランスパン
玉木氏は小麦粉の開発まで手掛けられたのです。
たま木亭では、バゲットやバゲットマニアックなど、これまで数種類のバゲットが作られていました。
2026年2月現在はこのスヴィンバゲットのみ。
ある意味、玉木氏が長年の経験から完成した最適解なのだと思います。
私がたま木亭のバゲットを初めて食べたのはいつだったか覚えていませんが、とにかくそのおいしさに圧倒されたことは印象に残っています。
バゲット好きで、さまざまな街のパン屋さんから高級ブランドまで色々と試しましたが、やっぱりたま木亭のバゲットが一番好きで、何度食べてもその好みは変わりません。
しっかり噛まないと噛み切れない程、かなり固めのクラスト。
その分、口に入れて、噛めば噛む程味ができてきます。
買ったその日にカットすると、一瞬グイーンと凹んで小さくなりますが、すぐに元に戻る弾力性にびっくり!
真っ白ではなく、ほんのり色づいたクラムはとてもやわらかく、小麦の風味がしっかりと味わえます。
洋風のメニューに、たま木亭のバゲットを合わせるとリッチな夕食に。
食事パンとして、何も付けなくても、パンの風味が食欲を促進。
1人で1本食べ切れそうなくらい、食べ出すと止りません。
バターをつけたり、好きな具材を乗せてオープンサンドにしたり、チーズフォンデュにしたり、どんな食べ方をしても満足できます。
次の日はトースターで軽くリベイクするだけで、カリッと香ばしく、中はふんわり滑らかな食感が戻ってきます。
たま木亭のバゲットはとにかく最高です。
2位 角食
2026年2月現在、食パンは角食のみ。
過去には、複数の食パンが作られていましたが、角食だけになってからしばらくが経ちます。
角食の手書きポップには、
粉の旨みを十分に活かすため、シンプルなレシピを採用。マニトバ小麦一本挽きを使用しています
外皮はもっちり香ばしく、中はふわふわ、小麦本来の甘みと香りを存分に味わえるシンプルな食パンです。
こんがり色づくまでしっかり焼き上げられた風味豊かなクラストに特徴があります。
パンの耳が好きな人なら、絶対にハマる食パンです。
高級食パンを含むさまざまな食パンを食べてきた中で、素朴なたま木亭の角食はずっと食べ続けられる唯一の食パンです。
たま木亭の食パンについては、下記の記事に詳しくまとめています。
3位 山栗ショコラ

山栗ショコラはチョコチップを練り込んだ生地の中にたっぷりの栗、表面にクルミがふんだんに散りばめられた菓子パンです。
ゴツゴツ、ボコボコしたフォルムから、いがぐりを想像してしまいます。
いがぐりを割ると、中からぎっしりと詰まった大粒の栗が顔を出します。
チョコもクルミも、中に包まれた栗もびっくりするくらいの量なのです。
生クリームをのせて焼かれた柔らかいパン生地と甘い栗、チョコレート、ほろ苦くザクザク感を出すクルミ、さまざまな食材が作り出すユニークな食感と味が楽しめます。
売場の奥の方に地味に並んでいますが、たま木亭でしか味わえない、たま木亭らしい傑作。
ネーミングもかわいい山栗ショコラ、食べるとほっこり笑顔になれる贅沢な菓子パンです。
4位 クリームパン

クリームパンも絶品。
オリジナルカスタードクリームには、タカナシ乳業のチルドバター、生クリーム、マダガスカル産バニラビーンズが使用されています。
クニャーネのクリームよりも、濃いこっくりしたカスタードです。
たま木亭のクリームパンは、クリームパン、口溶けの良い独特の生地のたま木亭オリジナルクリームパンをはじめ、ブルーベリーやチョコレートが入ったアレンジ系のクリームパンまで種類が豊富。
どのクリームパンも美味しいので、その時の気分に合わせて選びますが、どれかひとつを選ぶとなると、やっぱりフツーのクリームパンが好きです。
たま木亭オリジナルクリームパンは口溶けの良い独特の生地なので、生地の存在感が大きいのに対し、フツーのクリームパンは生地が薄くてさっぱりと軽い食感で、カスタードクリームのおいしさを最大限に引き立ててくれているように感じます。
しっかり甘くて濃厚なクリームがたっぷり入っているのに、最後まで重たくなく、後味はさっぱりとしています。
何度食べても、たっぷりのクリームに大満足、やっぱりおいしい。
5位 パンシュー

カレーパン、ベーコンハースと並び、惣菜パンの中で人気のパンシュー。
パンシューの手書きポップには、
原木の角切りベーコン、ブラックペッパー、ポテト。
ノルマンディー産の発酵バターで作ったエスカルゴバターを包みました。
正直、日本のベーコンはあまり好きではないので、他のベーカリーでベーコンの入ったパンを買うことはまずありませんが、たま木亭のベーコンだけは別格です。
ベーコンの旨みとホクホクのじゃがいもにバターのコクとブラックペッパーがしっかり効いたパンチのある具材と、固めのクラストにもっちりとした生地の組み合わせがなんともいえないリッチな味わいです。
まるでヨーロッパの料理とパンを一緒に食べているような気分に。
赤ワインやビールとの相性の良いので、ランチだけでなく、夕食にもぴったりです。
たま木亭は京都の行列ができるベーカリー
たま木亭の基本情報

| 住 所 | 京都府宇治市五ヶ庄平野57-14 |
| TEL. | 0774-38-1801 |
| 営業時間 | 8:00~18:45 |
| 定休日 | 月曜日、火曜日、水曜日 |
| アクセス | JR奈良線黄檗駅 徒歩5分 京阪宇治線黄檗駅 徒歩6分 専用駐車場完備 32台 |
| 公式ウェブサイト | http://www.tamaki-tei.com/ |
たま木亭は黄檗駅から徒歩圏内の住宅地にある、駐車場を備えた路面店です。
京都大学の宇治キャンパスの向かいにあります。
季候が良い時期には、焼きたてのパンを芝生の上で食べる人の姿も見られます。
たま木亭のパンの種類や店内の様子などについて、人気のクニャーネ、クロワッサンたま木、カレーパンについては、下記の記事に詳しくまとめています。
営業日は木金土日
たま木亭は人気店なのに、週休3日!
営業日は木曜日から日曜日までの週4日間。
毎週月、火、水は休みです。
たまに臨時休業があるので、事前に公式サイトをチェックしておくと安心です。
周辺は食堂が数軒あるくらいで、特に何もない場所ですが、連日たま木亭のパンを目当てに訪れる人が後を絶ちません。
特に、土日祝日の午前中から午後3時頃までは府外からも大勢の人が来るので、道路まで長い行列ができることもあります。
支払い方法は現金のみ!
たま木亭は遠方から来る人も多く、爆買いする人も少なくありません。
ただ、支払い方法は現金のみ。
キャッシュレス派は、たま木亭に行く際は事前に現金があるか確認を!
店内でパンを選び終わったらレジに並び、順番が来たら、トレーを置きます。
マイバッグ持参なら店員さんに預けます。
4,000円以上購入すると紙袋が無料でもらえます。
セミセルフレジなので、レジ打ちが済むと、精算機に現金を投入して決済します。
やっぱり生地がおいしいたま木亭のパン
たま木亭のパンはとにかく生地がおいしい。
だからシンプルな食事パンも、独創的なパンも飽きることはありません。
私自身が初めてたま木亭のパンに出会ったのは、移転前の小さな店ですが、その頃から、愛食するパンがいくつもあります!
シンプルに生地を味わう食事パンはもちろん、生地と具材を独特の発想で合わせたオリジナリティーのある惣菜パンや菓子パン、どれをとっても生地のクオリティの高さがベースになっています。
こんなに沢山の種類があるのに、意外とどこにでもある定番パンがなかったりするのも面白い。
その分、たま木亭でしか買えない個性的なパンが楽しませてくれます!
大きくてボリューム満点、厳選された具材がたっぷりと使われたパンの中から、どれにしようか選ぶのはワクワクします。
まだ温かい焼き立てのパンがあたることも珍しくなく、最高の贅沢を味わえます。
どんな味なのか想像を膨らませながら食べる時間は楽しいひととき。
玉木氏が熱く深い愛情を込めて焼き上げた、ボリューム満点のパンたちはお腹を満たしてくれるだけでなく、心も満たしてくれます。

