ショーケースに並ぶクロワッサンたま木

日本人が好きなパンと言えば、必ずトップ3に挙がるクロワッサン。

京都宇治のたま木亭では、他とはちょっと違ったオリジナルクロワッサンが人気です。

プレーンタイプのクロワッサンは、『クロワッサンたま木』とネーミングされ、表面にロデヴ生地が貼り付けられ、パリッとした独特の食感を引き出しています。

そして、クリームやチョコレート、フルーツを合わせたスイーツ系クロワッサンのバリエーションが充実。

たま木亭のクロワッサンを長年愛食する体験を基に、クロワッサンたま木について、特徴や購入のコツ、バリエーションなどを紹介します。

たま木亭オリジナル、クロワッサンたま木

クロワッサンたま木はどんなパン?

クロワッサンたま木

たま木亭のクロワッサンは、一口食べると一般的なクロワッサンとは食感が違うと感じます。

表面がパリッとして、食感が独特なのです!

その秘密は、たま木亭で販売されているロデヴというハード系パンの生地が表面に貼り付けられ、生地が二層構造になっているから。

たま木亭らしいこだわりが詰まったオリジナルクロワッサンは、『クロワッサンたま木』とネーミングされています。

手書きのポップには、

北海道産バターを折り込み、表面にロデヴ生地を貼りつけ、独特な食感に仕上げました

ロデヴは、南フランスにある小さな街ロデヴ発祥のハード系パンで、自家製ルヴァン種を使用し、フランスパンには珍しい粗く大きな気泡のあるクラムが特徴です。

ルヴァンとは発酵種(だね)という意味で、小麦粉と水を混ぜて放置し、野生の酵母菌と乳酸菌と共に育てた天然酵母です。

ロデヴは水分を多く含んでいるため、中身はしっとりとしてみずみずしく、皮は香ばしい食感。

ルヴァンのマイルドな酸味と長時間発酵による風味が融合して、インパクトのある味わいに仕上がります。

クロワッサンのクラストのパリパリ、サクサク、ザクザクとした食感は、層の厚さによって違いが生まれます。

層の厚みが薄いと繊細でほどけるような口当たりになり、厚いとザクザクとした力強い食感に。

クロワッサンたま木はそのロデヴの生地を表面に貼り、パリッとした独自の食感と、コクを生み出しているのです。

クロワッサンたま木の値段は?

2026年10月現在、クロワッサンたま木の税込価格は、1個302円。

この数年は小麦価格や物価の高騰の影響を受け、数回値上げが実施され、直近では、2025年9月下旬に価格改訂されました。

それでも、クロワッサンたま木を食べたいと思う気持ちが勝って、結局買ってしまいます。

クロワッサンの誕生から日本で広まるまで

クロワッサンはオーストリア生まれ、フランス育ち

知らない人はいないんじゃないかと思うくらい、日本で愛されているクロワッサン。

クロワッサンとは、バターなどの油脂を生地に折り込んで何層にも重ね、三日月型に成形したパンです。

サクサクと軽い食感が特徴です。

クロワッサンはフランス語で croissant と綴り、三日月という意味。

フランスの代表的なパンなのですが、実は、生まれはオーストリア。

その誕生の歴史は、1683年にオーストリア軍がオスマン帝国軍を撃破したウィーンが舞台。

勝利を祝して、現在のクロワッサンの原型といわれる三日月型のパンが作られました。

三日月はオスマン帝国の国旗、そして現在のトルコ国旗にも描かれるシンボル。

オーストリア国民は、オスマン帝国のシンボルである三日月形のパンを食べたのです。

1770年、オーストリア王女マリー・アントワネットは、のちのフランス国王ルイ16世に嫁ぎ、三日月型のパンも一緒にフランスに連れていきます。

その後、ウィーン生まれの三日月型のパンはフランスで進化を遂げ、19世紀初め、バターたっぷりの生地を何層にも重ねた現在のクロワッサンに。

フランス流クロワッサンの誕生には諸説あるとか。

時を経て、三日月型を意味するクロワッサンがフランス国民の間に浸透していきました。

日本でも人気を集めるクロワッサン

日本で最初にクロワッサンが作られたのは、戦後になってから。

その立役者は、1905年に神戸で創業した DONQ (ドンク)と言われています。

1954年に来日したフランス国立製粉学校の教授の講習を受け、試行錯誤を繰り返し、クロワッサンやバゲットなど本場のフランスパンを日本で広めました。

2025年に創業120年を迎えるドンクのクロワッサンは現在も人気があります。

ドンクは、2006年6月に焼きたてのミニクロワッサンをグラム単位で買える『Minione』 (ミニワン)というブランドも展開しています。

今では、クロワッサンはどこのベーカリーにも並ぶ、不動の人気を誇るヴィエノワズリーです。

クロワッサンたま木の特徴

たま木亭のクロワッサンは、ざっくりまとめるとこんなパンです

クロワッサンたま木の特徴
  • ロデヴ生地の表面がパリッと香ばしく、独特の食感
  • 芳醇なバターの風味
  • クラムは少し厚めの層でふんわり
  • ぽっちゃり系の菱形
  • 賞味期限は1~2日

ロデヴ生地の表面がパリッと香ばしく、独特の食感

クロワッサンたま木は表面にロデヴ生地が貼り付けられているので、パリッと香ばしい独特の食感。

一般的なクロワッサンのサクサク感よりも、パリふわ感を楽しめます。

見た目がさらっとしているのも特徴。

芳醇なバターの風味

クロワッサンたま木亭を頬張ると、パリッとした食感の後に、ふんわりした生地から芳醇なバターの風味がリッチに感じられます。

北海道産のバターが折り込まれています。

見た目はさらっとしていても、食べているうちに生地に溶け込んだバターが手につくことからも、ふんだんにバターが使われていることが想像できます。

クラムは少し厚めの層でふんわり

薄い黄色みを帯びたクロワッサンのクラムは、何層にもなり、空気をたっぷり含んだふんわり柔らかい生地です。

外側のパリッとした軽やかさと内側のふんわりとした柔らかさのコントラストが楽しめます。

どちらかというと、パリふわ、バターリッチなクロワッサンたま木はシンプルで、パワフルな印象です。

個人的には、サクサク、ホロホロの繊細なクロワッサンが好きですが、他では味わえないクロワッサンたま木も気に入っています。

ぽっちゃり系の菱形

クロワッサンの誕生の歴史を辿る(たどる)と、もともとは三日月型でマーガリンが使われていました。

後にバターを使ったクロワッサンが登場。

フランスでは、形で見分けられるように三日月型はマーガリン、菱形(ひしがた)はバターと区別されているそうです。

一方、日本では形で区別されず、一般的に菱形です。

クロワッサンたま木も菱形で、少しぽっちゃりしたフォルム。

たま木亭のインスタグラムに、クロワッサンの成形行程が投稿されています。

バターが軟化してくるのでスピード感が命。

1日500枚を8人のスタッフで10分くらいで終わらせるのだとか!

何度も食べていると、成形した人によって形が少し違っているのに気づいて、クロワッサンを見ながら色々と想像を膨らませてしまいます。

賞味期限は1~2日

クロワッサンたま木は買ったその日に食べるのが一番おいしいです。

パリッとした独特の食感や生地のふわふわ感、バターの風味などが最大限に味わえます。

でも、買ったその日に食べられる量には限りがあります。

それに、個人的にクロワッサンは朝に食べたいのです。

たま木亭に行った次の日の朝は軽くリベイクしたクロワッサンたま木とたっぷりのブラックコーヒーとともに1日が始まります。

クロワッサンたま木の楽しみ方

クロワッサンたま木を購入するコツ

クロワッサンたま木は底堅い人気があり、売り切れ必至。

平日でも午前中に売り切れることもあります。

残念ながら、予約できないので、確実に購入するには平日の午前中がおすすめ。

土日祝日や午後の時間帯に、あるかないかはその時の運!

クロワッサンたま木はレジ横のショーケースの下段にあり、セルフサービスではなく、レジで店員さんに頼んで取ってもらいます。

私の場合、たま木亭に行くと必ずあしたのパンにクロワッサンを買います。

なので、入店すると、真っ先に右手のショーケースを見て、クロワッサンがまだあるかどうかチェック。

数が少ない時はハラハラ、レジにたどり着く前に完売になることもあり、そんなときは泣く泣くもう一度並び直して別のパンを購入することに。

当日のおやつ、翌日の朝に

初めてクロワッサンたま木を購入したら、買った当日に食べるのがおすすめ。

ぜひ、その日のうちに、生地のパリッと感を味わってみて欲しいです。

次の日の朝食にする場合は、リベイクするとパリッとした食感が再現できます。

私の場合、クロワッサンは背が高いので、トースターを使うと、焦げて台無しになることがあったので、オーブンレンジのロールパンのあたため機能を使ってリベイクしています。

ほんわり温かいクロワッサンたま木で迎える朝は格別。

シンプルだけど、いつ食べても裏切らない、とっておきのクロワッサンです。

クロワッサンのバリエーション

いわゆるプレーンタイプはクロワッサンたま木のみですが、たま木亭にはクロワッサンのバリエーションがいっぱい!

どれも甘い、スイーツ系のクロワッサンたち。

どれにしようか迷ってしまう程、甘い誘惑が次から次へとやってきます。

冷蔵ケースに並ぶクロワッサンの仲間たち

たま木亭のスイーツ系クロワッサン、クリームクロワッサンといちごのクロワッサン
右上:クリームクロワッサン、左下:いちごのクロワッサン

クリームをたっぷり挟んだクロワッサンは入口正面の冷蔵ケースに。

例えば、

  • クリームクロワッサン
  • いちごのクロワッサン
  • 桃のクロワッサン
  • いちじくのクロワッサン
  • 栗とチョコのクロワッサン

クリームクロワッサンは表面に粉砂糖をまぶしたクロワッサンにカスタードと生クリームを合わせた滑らかなクリームがたっぷり挟まれた定番バリエーション。

いちごのクロワッサンはシュークリームのような丸いクロワッサン生地に、クルミ、ベルギーチョコが包み込まれ、カスタードと北海道産生クリームを合わせたクリームが挟まれ、ツヤツヤのいちごがのっています。

甘酸っぱいいちごとカスタードクリームに、チョコとクルミまで入った、ちょっと贅沢な、とっておきのおやつです。

季節によって、桃やいちじくのクロワッサンも登場します。

栗とチョコのクロワッサンはいわゆるフツーのクロワッサンの形に栗とカスタードがたっぷり、アーモンドクリームとチョコレートでコーティングされています。

メインディスプレイに並ぶクロワッサンの仲間たち

たま木亭のクロワッサンのバリエーション、クロワッサンオザマンドとクロワッサンメイプル
左奥1つ目:クロワッサンオザマンド、5つ目:クニャワッサン、左前4つ目:クロワッサンメイプル

クロワッサンのバリエーションはメインディスプレイの下段に並んでいることが多いです。

  • クロワッサンオザマンド
  • クロワッサン・メイプル

クロワッサンオザマンドはアーモンドクリームとラムシロップでしっとり、サクサクとした生地にアーモンドスライスがたっぷりちりばめられています。

ミニサイズのクロワッサンメイプルはカナダ産メイプルシロップが使われています。

また、2020年6月に新作として発売されたクニャワッサンは素朴な生地にフランス産発酵バターを折り込み、キャラメライズさせています。

名前から想像すると、クニャーネとクロワッサンを掛け合わせたたま木亭のオリジナル?

クニャーネのようにパリンとした生地なのに、クロワッサンのようにクラムはふんわり、しっかり甘く、おやつにぴったり。

クニャワッサンは、冷蔵ケースにチョコレート仕立てもあります。

人気のクニャーネについては、下記の記事に詳しくまとめています。

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たま木亭の基本情報

住 所京都府宇治市五ヶ庄平野57-14
TEL.0774-38-1801
営業時間8:00~18:45
定休日月曜日、火曜日、水曜日
アクセスJR奈良線黄檗駅 徒歩5分
京阪宇治線黄檗駅 徒歩6分
専用駐車場完備 32台
公式ウェブサイトhttp://www.tamaki-tei.com/

たま木亭の基本のキをまとめた記事は、こちらから

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クロワッサンたま木のパリふわが癖になる

クロワッサンたま木は、クロワッサン生地のクォリティの高さはもちろん、食感にとてもこだわるたま木亭らしい独特のクロワッサンです。

私にとって、クロワッサンたま木は気分を上げてくれるあしたのパン。

サクサクしたオーソドックスなクロワッサンも好きですが、すっかり、パリふわのクロワッサンたま木のファンになり、見つけたら、必ず買うパンのひとつです!

個人的に大好きなパンオショコラがないのが唯一残念ですが、バリエーション豊富なクロワッサンのスイーツは、どれももはやパンの域を超えた、リピートしたくなる強者揃い。

たま木亭に足を運ぶと、クロワッサン好きにはたまらない、玉木シェフの独創的な発想から生まれた、ワクワクするクロワッサンたちが賑やかに迎えてくれます。

▼オーナーシェフ玉木潤さんの『忘れられないパン 「たま木亭」』はこちら