
京都には、おいしいのはもちろん、個性豊かなケーキ屋さんがたくさんあります。
クラシックなケーキが食べたい、チーズケーキを味わいたい、クリエイティブなケーキを楽しみたいなど、その時の気分や嗜好に合った望みを叶えてくれます。
私が洗練されたオリジナルケーキが食べたい時に選ぶのは grains de vanille (グラン・ヴァニーユ)。
京都のオフィス街の近くにあるパティスリーで、季節感を大切にフランス菓子の技法で作られた、大人のケーキが特徴です。
グラン・ヴァニーユについて、基本情報や特徴、ケーキの食レポ、どこで買えるのかなどをまとめました。
grains de vanille (グラン・ヴァニーユ)は京都のパティスリー
グラン・ヴァニーユの基本情報

住 所 | 京都市中京区間之町二条下ル鍵屋町486 |
TEL. | 075-241-7726 |
営業時間 | 10:30〜18:00 |
定休日 | 日曜日、月曜日 |
アクセス | 京都市営地下鉄烏丸線、東西線 烏丸御池駅 徒歩5分 京阪電車 京阪本線 三条京阪駅 徒歩20分 駐車場 店舗前2台 |
公式ウェブサイト | https://www.grainsdevanille.com/ |
2011年2月6日に京都のオフィス街にあたる烏丸御池の近くにオープンしたフランス菓子店 grains de vanille (グラン・ヴァニーユ)。
お菓子屋さんをイメージできるようにと、フランス語で『バニラの種』を意味するグラン・ヴァニーユと名付けられました。
オーナーシェフの津田励祐氏は、辻調グループフランス校エスコフィエ校卒業後、神戸の『パティシエ イデミスギノ』を経て、パリの「ピエール・エルメ・パリ」などで修業。
帰国後、東京に移転した『イデミスギノ』に勤務。
2011年に独立して、 grains de vanille をオープン。
同年3月にフランスで開催された『トロフィー・ド・コアントロー杯』で味覚部門1位、総合2位を獲得。
2015年のミラノ万博では、スイーツの世界大会『ワールド・トロフィー・オブ・ペストリー・アイスクリーム&チョコレート』でチョコレートを担当し、優勝。
そんな輝かしい経歴の持ち主が腕を振るうグラン・ヴァニーユは京都のスイーツ好きの心を掴みます。
2023年10月にリニューアルオープン。
店内が広くなり、ショーケースの位置が変わり、白が基調の北欧調のシンプルな内装に観葉植物の緑やカラフルなオブジェが加わり、華やかで明るい雰囲気に。
グラン・ヴァニーユのフランス菓子
グラン・ヴァニーユはオープンして十数年、すっかり京都に馴染み、名店としての存在感を放ちます。
あえてコンセプトを作らずに、季節感が大切にされています。
見た目が美しく、味は絶品、ネーミングにもセンスが光るケーキや焼き菓子はいつ訪れても新しい風を運んでくれます。
圧倒的にケーキが人気ですが、クロワッサンやパン・オ・ショコラなどのペストリーや焼き菓子、チョコレートなどテイクアウトできる甘い誘惑がいっぱいです。
ケーキを楽しめるカフェスペース

グラン・ヴァニーユの店内には、店頭に並ぶフレッシュなケーキが楽しめるカフェスペースがあります。
当初はショーケースの向いに2掛けのテーブルが4卓並ぶ小さなスペースでしたが、2023年のリニューアルで、カフェスペースは奥に移動して座席数が増えました。
カフェを利用するには、まず、ショーケース前で好きなケーキを選びます。
パフェなどカフェでのみ楽しめるスイーツもあります。
店員さんにケーキを頼んでから、テーブル席へ。
ワンドリンクオーダー制で、滞在時間は40分まで。
人気店なので、長居しないで、食べ終わったら次の方に席を譲るという感覚です。
ドリンクはコーヒーと紅茶の他、カフェインレスから選べます。
カフェ利用後、レジで精算。
カフェでケーキを楽しんでいる間も、次から次へとケーキを求める人が来店し、食べ終わった後はショーケースのケーキがずいぶん減っていました。
支払い方法は現金のみ!
グラン・ヴァニーユは遠方から来る人も多く、カフェでケーキを複数食べたり、焼き菓子などをテイクアウトする人も少なくありません。
ただ、支払い方法は現金のみ。
キャッシュレスが進む中、普段現金を持ち歩かない人が増えていますが、グラン・ヴァニーユに行く際は予め現金があるか確認を!
グラン・ヴァニーユの初秋のケーキたち
Mont blanc モンブラン 秋期限定&賞味期限30分

秋を代表するケーキ、モンブラン。
モンブランとはフランスとイタリアの国境、アルプス山脈にそびえる山の名前で、フランス語で『白い山』という意味です。
ちなみに、イタリアでは、monte bianco (モンテ・ビアンコ)と呼ばれています。
モンブランの起源はこのフランスとイタリアと言われています。
グラン・ヴァニーユのモンブランはショーケースには並ばず、注文してから作られる特別なケーキ。
メレンゲが使用されているので、テイクアウトは30分以内に食べられる人限定。
なので、ご近所さん以外はイートインでしか味わえません!
熟成させた国産和栗を使用した絞りたてのクリームを一口食べると、ホクホクとした和栗の繊細な風味が口いっぱいに広がります。
柔らかなマロンクリームの内側には、たっぷりの生クリームがサックサクのメレンゲを包んでいます。
オーソドックスなモンブランですが、口の中で柔らかいマロンクリームと生クリーム、サクサクしたメレンゲが溶け合い、出来立てならではの食感を堪能できます。
和栗の風味を活かした優しい味わいに、とっておきの食感、ほっぺたが落ちる程幸せ心地になり、いつまでも食べていたくなります。
Montmorency モンモランシー ピスタチオ三昧

モンモランシーはピスタチオの生地とクリーム、ムースに酸味の効いたグリオットを合わせた人気のケーキ。
ピスタチオ好きにはたまらない、ピスタチオ三昧!
モンモランシーはフランスのパリ郊外の地名で、小粒で酸味が強く、果実味が凝縮されたグリオットチェリーの産地です。
そのグリオットチェリーを使ったケーキにモンモランシーと名付けられるそうです。
グリオットチェリーはサワーチェリーとも呼ばれます。
グラン・ヴァニーユのモンモランシーは黄緑色のコロンとまあるく、トゲトゲのあるフォルムがサボテンのようでかわいらしい。
その上に甘くて優しい味わいのピスタチオ味の生クリームとグリオットチェリーがデコレーションされ、彩りもきれいです。
ホワイトチョコレートでコーティングされた表面を割ると、こっくりまろやかなピスタチオムースが顔を出し、酸味の効いたグリオットチェリーの果汁がじゅわっと溢れ、味にアクセントが加わります。
ムースのなめらかさとナッツのザクザク感のバランスが絶妙。
見て、食べて、ワクワクするケーキです。
Praline cassis プラリネ カシス ヘーゼルナッツが濃厚

プラリネ カシスはプラリネノワゼットのムースにカシスのジュレが加えられています。
落ち着いたブラウン系のグラデーションが秋の気配を感じさせてくれます。
ノワゼットはフランス語でヘーゼルナッツ。
プラリネノワゼットとは、ローストしたヘーゼルナッツをキャラメリゼ(砂糖を焦がして絡めること)し、ローラーなどで挽いてペースト状にしたものです。
ヘーゼルナッツの香ばしい風味とキャラメルの繊細な甘さが特徴の、プラリネノワゼットの濃厚で滑らかなムースに甘酸っぱいカシスのジュレが新鮮です。
コロンと丸い滑らかなムースの上にそびえるように飾り付けられたチュイール?のような焼き菓子はサクサクとした食感も楽しめます。
シックな彩りに、遊び心のある大人なスイーツです。
グラン・ヴァニーユのスイーツの特徴
ここまでの内容をざっくりまとめると、グラン・ヴァニーユのケーキたちはこんなスイーツです。
- 季節感を楽しめる
- フランス菓子の技法で創作された大人のケーキ
- 洗練されたビジュアル
- 厳選された素材
- 価格は高め
季節感を楽しめる
グラン・ヴァニーユでは、季節感が大切にされています。
春はベリーやシトラス、夏はトロピカルフルーツ、秋はマロンやキャラメル、冬はチョコレートというふうに、四季折々の食材を用いて作られています。
ホールケーキの chantilly (シャンティ)は季節のフルーツがふんだんに使われています。
運が良ければショーケースに並んでいますが、確実に購入したいなら予約を。
私自身も一度予約して食べてみたい!と憧れを抱いています。
ショーケースに並ぶケーキを見るだけで、季節の移り変わりが楽しめ、訪れる度に新しい味や懐かしい味に出会うことができます。
フランス菓子の技法で創作された大人のケーキ
グラン・ヴァニーユは、苺のショートケーキやガトーショコラ、チーズケーキのようないわゆる定番ではなく、フランス菓子の技法を用いたオリジナルケーキがメインです。
ホールケーキ以外にスポンジケーキは見かけず、ムースやクリームを使ったケーキやタルトが多い印象を受けます。
ナッツを使ったり、洋酒を効かせたり、酸味のあるフルーツを合わせたり、大人のテイストが多いのも特徴。
自分では絶対に作れない、宝石のようなケーキたちが訪れる人々の五感を楽しませてくれます。
洗練されたビジュアル
グラン・ヴァーニュのケーキはとにかくきれい!
ショーケースに並ぶケーキがあまりに美しく、見ているだけでうっとりします。
食べるのがもったいないくらいきれいなのですが、食べるとさらに満足、自然と笑顔を運んでくれます。
厳選された素材
グラン・ヴァニーユのスイーツは、上質なバター、小麦粉、砂糖、アーモンドなどが使用されています。
焼きたての美味しさを味わえるように、保存料や脱酸素剤は不使用。
価格は高め
ケーキは800円~。
シューアラクレームやプリンなどはもう少しお手頃価格です。
正直高いですが、納得できるクォリティなのです。
たまには、贅沢してもいいかなと。
グラン・ヴァニーユのスイーツはどこで買える?
グラン・ヴァニーユの店舗
グラン・ヴァニーユは京都に1店舗のみ。
デパートなどにも出店していません。
店内には、ケーキの他、焼き菓子やペストリー、チョコレートなど目移りする程沢山のスイーツが並んでいます。
焼き菓子やペストリーも絶品!
今回はケーキの紹介でしたが、今後別の記事で紹介する予定です。
グラン・ヴァニーユ オンラインショップ
ケーキなど生菓子は店頭でしか買えませんが、焼き菓子やチョコーレート、ジャムなど日持ちのするスイーツはグラン・ヴァニーユ オンラインショップで購入できます。
毎週水曜日までの注文分を木曜日に発送するシステム。
送料については、通常便とクール便料金があり、地域によって異なります。
焼き菓子の通常便とチョコレートなどのクール便は別の便になるようです。
ちなみに、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングでは、販売されていません。
オンラインでも、グラン・ヴァニーユでしか購入できないようです。
洗練された大人のケーキで甘い幸せなひとときを
グラン・ヴァニーユのケーキは季節の移ろいに合わせた、上品で洗練された大人のテイスト。
ショーケースに並ぶケーキたちはあまりにも美しく、見ているだけで幸せな気分になります。
季節の移り変わりとともに新しいケーキに出会い、新作を味わってみたいけれど、リピートもしたい、そんな贅沢な選択が待っています。
でも、どれにしようか悩んでいる時間さえワクワクします。
店舗に足を運ばないと味わえないから、ついでではなく、出掛ける目的になるケーキたち。
大切な人と一緒に、自分へのご褒美に、景気づけに、「グラン・ヴァニーユのケーキを食べに行こう!」という気持ちになるのです。
グラン・ヴァニーユのケーキは見て、食べて楽しめ、ラグジュアリーな時間と幸せな笑顔をプレゼントしてくれます。
嬉しいときはもちろん、落ち込んでいる時やストレスを抱えている時、しんどい時も自然と顔がほころぶ、スイーツの魔法ってすごい!と実感します。