
京都で70年以上愛される洋菓子の名店バイカル。
アップルパイは創業当時から受け継がれた、バイカルを代表するスイーツです。
バイカルのアップルパイは青森県産の紅玉がゴロンゴロンと詰まっていて、サクサクのパイ生地に包まれています。
シンプルなアップルパイなのですが、厳選された素材を使って、時間をかけて、丁寧に作り込まれていて、一度食べたらまた食べたくなってしまうのです。
バイカルのアップルパイについて、特徴や種類、どこで買えるのかなどをまとめました。
BAIKAL (バイカル)は京都の洋菓子店
京都で愛されるバイカルの誕生
1955年に京都の下鴨で誕生した老舗洋菓子店バイカル。
創業者の川勝三郎氏は戦後、フランス菓子を学ぶために、単身で本場フランスに渡ります。
当時はまだ日本人がフランス菓子を修行する体制が整っていなかったため、苦労の連続、兄弟子との出会いからようやく洋菓子の基礎を学びます。
兄弟子は純粋なフランス人ではなく、故郷はロシア。
彼との会話によく出てきた、故郷にある世界最古の湖であるバイカル湖から店名が付けられました。
バイカルとは、タタール語で豊かな湖。
バイカルは京都で世代を超えて愛される洋菓子店になり、2025年4月に創業70周年を迎えました。
バイカルの洋菓子
バイカルは伝統のフランス菓子を基本に、地元京都の文化と素材を活かしたお菓子で着実に京都の人々のハートを掴みます。
ちなみに、私の母は京都生まれの京都育ちで、バイカルのケーキが大好き。
私自身もバイカルのケーキを買ってもらったり、手土産にもらったときは特別に嬉しかったことを子供心に覚えています。
バイカルはまさに世代を超えて愛される洋菓子店なのです。
バイカルのアップルパイ
創業当初から愛されるアップルパイ
イギリス発祥のアップルパイ。
世界中でさまざまなタイプのアップルパイがあります。
京都でもアップルパイで有名な店はいくつかありますが、絶対に外せないのがバイカル。
バイカルのアップルパイは1955年の創業当初から愛され、素材にも製法にもこだわりを持った、まさにバイカルを代表するスイーツです。
アップルパイは下鴨本店に隣接する下鴨工房で、当時の製法を守り、熟練の職人技を駆使して丁寧に作られています。
守り続けてきた製法のほとんどが手作業。
そんなアップルパイが、日本全国の特色ある贈り物を選定する『日本ギフト大賞2023』で、都道府県ごとに1点選ばれる『京都賞』を受賞。
地域に根差した独自のギフト商品であることや、人々の心を魅了する商品であることが評価されています。
アップルパイのパッケージ

アップルパイはバイカルのロゴが印字された、クリーム色に赤が映えるパッケージに入っています。
シンプルかつ上品なデザインは、バイカルのお菓子のイメージにぴったりです。
紅玉りんごがゴロンゴロン

アップルパイの主役はもちろんりんご。
バイカルのアップルパイには、大きく櫛形(くしがた)にカットされたりんごがゴロンゴロンと詰まっています。
りんごの食感はシャキッとしていて、果実の風味がしっかり味わえます。
シナモンが効いた、甘さと酸味が絶妙のバランスに仕上がっています。
バイカルのアップルパイの秘密を探ると、青森県産の紅玉種が使用されています。
紅玉は酸味が強いのが特徴ですが、熱を加えることで甘みと風味が増し、煮崩れせずにシロップの旨味を吸収するので、アップルパイに最適な品種です。
バイカルでは1970年代頃から使用されているそう。
収穫されたりんごは産地で鮮度を保ったままバイカル独自の配合でプレザーブ(シロップ漬け)にした状態で直送されます。
工房でアップルパイを作るたびにザラメ糖、シナモン、バターを加えてじっくり炊かれ、仕上げにアップルワインで風味づけされます。
シロップの旨みがしみこんだりんごからは、甘くて爽やかな香りとシャキッとした食感、甘味と果実本来の酸味やシナモンの風味がバランス良く調和して、口いっぱいに広がります。
個人的には、甘すぎないのもバイカルのアップルパイが気に入っている理由です。
とにかく、りんごを食べた感がたまらないアップルパイなのです。
サクサクのパイ生地
主役のりんごを包むパイ生地はサクサクで、バターの風味が広がる上品な味わいです。
りんごが詰まった真ん中のパイ生地はしっとり、周囲はサクサク感が楽しめます。
パイ生地にはフレッシュバターがたっぷり折り込まれ、約257層からなります。
パイ生地づくりは、生地を練り、バターを折り込む作業が4回。
創業者が考案した独自の製法でバターを包み込むと、生地とバターが均等に伸びて、端まできれいな層ができあがります。
パイ生地への負荷を減らすために、それぞれの工程を半日ずつ進められ、生地を休ませる時間をしっかりとって、生地の熟成が促し、うま味を引き出します。
こうして生地ができるまで最低でも3日間かかります。
そして、パイ生地は焼き上げる分だけ準備され、冷凍されません。
甘酸っぱいアプリコットジャム
黄金色に香ばしく焼き上がったアップルパイには、アプリコットジャムが塗られています。
アプリコットは杏(あんず)。
そのため、箱から出したアップルパイの上には透明のシートがかけられています。
アプリコットジャムは、甘さと酸っぱさがバランス良く調和し、塩味が効いたパイやシナモンを入れて炊き上げたりんごとの相性は抜群。
甘酸っぱいアプリコットジャムがアップルパイの味のアクセントになるだけでなく、パイの表面に塗ることでつやを出し、できる限りパイが湿気を吸わないように食感を保つ役割を果たします。
アプリコットジャム1つ3役なのです。
周囲をパイ生地で縁取り、リーフ型のミニパイ添え
バイカルのアップルパイはいわゆる格子状ではなく、りんごをふんだんに敷き詰めたパイの周囲を縁取った、ふんわり高さとボリュームがある形です。
内側には葉っぱの形をした小さなパイが飾られています。
細やかなデコレーションにもこだわりが感じられます。
アップルパイの日持ちは?
アップルパイは要冷蔵で、賞味期限は約1週間程度。
カットしたアップルパイの賞味期限は当日中ですが、ホールは日持ちします。
実際に購入すると、賞味期限まで10日ありました。
なので、手土産やプレゼントにも向いています。
アップルパイの種類
アップルパイのサイズ
サイズ | 価格 | |
---|---|---|
SS | 直径約14 cm | 2,100円 |
S | 直径約18 cm | 2,700円 |
M | 直径約20 cm | 3,300円 |
L | 直径約22 cm | 4,000円 |
アップルパイは4サイズ。
店舗では、カットしたアップルパイも販売されています。
人数やシーンに合わせて選べます。
鯛のかたちをしたアップルパイ
縁起物の鯛をモチーフにしたアップルパイもあるんです!
婚礼の引菓子をはじめ、子供のお食い初めや端午の節句など、おめでたいお祝い事にぴったり。
祝鯛(いわいだい)、吉祥鯛、おめで鯛の3種類。
バイカルの祝鯛は、なんと、1962年にはすでに販売されていたのだとか!
60年以上も前から受け継がれてきた伝統のアップルパイ。
7日前までに店舗で予約が必要です。
バイカルのアップルパイの特徴
ここまでの内容をざっくりまとめると、バイカルのアップルパイはこんなスイーツです。
- 紅玉りんごがゴロンゴロン
- サクサクのパイ生地
- 甘酸っぱいアプリコットジャム
- 周囲をパイ生地で縁取り、リーフ型のミニパイ添え
- 賞味期限は約1週間
バイカルのアップルパイはどこで買える?
バイカルの店舗
バイカル 下鴨本店
住 所 | 京都府京都市左京区下鴨本町4−2 |
TEL. | 075-781-1891 |
営業時間 | ショップ 10:00~19:00 イートイン 11:00~18:00 |
定休日 | なし |
アクセス | 京都市営地下鉄烏丸線 北山駅 or 北大路駅 徒歩14分 下鴨洛北高校バス停前 駐車場(店舗隣接) |
限定品 | バイカルクッキー、紅玉りんごのブランデーケーキ、デコレーションケーキ数種類、プチガトー数種類 |
1955年に下鴨で誕生したバイカル。
世界遺産の下鴨神社に近く、徒歩約8分です。
2024年11月、下鴨本店は全面リニューアルされました。
京都市内の住宅地に出店
2025年6月現在、バイカルは京都府に6店舗、大阪府に1店舗、京都駅近くのホテル『京湯元ハトヤ瑞鳳閣』内にカフェスペースを併設した店舗があります。
京都府内は下鴨本店をはじめ、金閣寺店、山科店、京都ポルタ店、北くずは店、イオン桂川店を展開。
大阪府は中心地ではなく、京都と大阪の府境にあたる枚方市にくずは店があります。
観光地ではなく、住宅地に店を構える地元密着型の店舗展開です。
京都駅前の地下街にある京都ポルタ店では、アップルパイやケーキに加え、京都のお土産になる洋菓子や限定商品も販売されています。
また、バイカルは催事や期間限定で出店されることはあっても、どこのデパートにも出店していません。
バイカルのケーキやお菓子がデパ地下で買えたらいいのにと思うこともありますが、大量生産をせず、時間をかけて、丁寧に洋菓子を作り続けるバイカルの方針なのでしょう。
バイカルオンラインショップ
アップルパイはバイカルオンラインショップで購入できます。
オンラインショップで購入できるアップルパイはS、M、Lの3サイズ。
包装の有無や紙袋、のし紙やメッセージカードを選択できるので、大切な人へのプレゼントにも利用しやすいです。
Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングでは、販売されていません。
オンラインでも、バイカルでしか購入できないようです。
どこか懐かしく、フレンドリーなアップルパイ
バイカルのアップルパイは個性が強い尖ったスイーツではなく、みんなに愛される素朴で優しい、フレンドリーな味わいです。
りんごの風味を最大限に引き出すために考案されたレシピで、時間をかけて丁寧に作り込まれます。
シャキッとした食感が楽しめる大きなサイズのりんごの深い甘味と酸味が口いっぱいに広がり、香ばしく焼き上がったサクサクのパイがホロホロと崩れます。
アップルパイは作り置きされず、大量生産できないからこそ、手づくりならではの魅力が詰まっています。
たので、購入できる場所が限定されます。
それでも愛され続けるのは、私と同じように一度食べたらまた食べたくなる人が多いからではないでしょうか。
りんごがゴロンゴロン、サックサクのパイ生地、甘酸っぱいアプリコットジャム、全てが甘く優しいハーモーニーを奏で、どこか懐かしく温かい気持ちにしてくれます。
自分へのご褒美に、家族と一緒に、友達や知人の手土産に、お祝いに、バイカルのアップルパイが笑顔を運び、幸せなひとときを共にしてくれます。
こうしてブログを書いていると、またアップルパイが食べたくなるのです。