
株主優待制度を利用すると、デパートでいつでも優待価格で買物できます。
株主優待カードは10 %オフでショッピングができる、デパートの利用者にとって嬉しい特典です。
これまでに、三越伊勢丹ホールディングス、高島屋、J.フロントリテイリングの株主優待の特典について、実際に利用した体験を基に記事を作成。
すると、企業によって、優待割引対象品や利用限度額、支払方法などに違いがあることがわかりました。
デパートの株主優待を実際に利用している経験を基に、デパートTOP3の株主優待を比較して、各社の株主優待カードの特典内容の共通点と相違点、利用するための手続きなどをまとめました。
株主優待は企業から株主へのプレゼント
株主優待とは?
株主優待とは、企業が株主に割引券や優待券、自社製品やサービスなどを提供する制度です。
権利付最終日(権利確定日から起算して3営業日前の日)の大引け時点で保有していれば、株主優待を取得することができます。
百貨店からのプレゼントは株主優待カード
デパートの株主優待は、株主優待カード。
3社とも10 %割引でショッピングできる特典があります。
文化展、美術展等の有料催事に無料または優待価格で入場できる特典付。
デパート各社の株主優待について記事を作成するうちに、優待内容は概ね同じとはいえ、企業によって特徴や細かな違いがあることがわかりました。
日本のデパートTOP3
日本のデパートTOP3とは、三越伊勢丹ホールディングス(HD)、高島屋、J.フロントリテイリングの3社です。
売上ランキングは、
1位 三越伊勢丹ホールディングス
2位 高島屋
3位 J.フロントリテイリング
三越伊勢丹HDは三越、伊勢丹、丸井今井、岩田屋の4つの暖簾を持ち、J.フロントリテイリングは大丸、松坂屋を運営しています。
(株)三越伊勢丹ホールディングス | 三越、伊勢丹、丸井今井、岩田屋 |
(株)高島屋 | 高島屋 |
J.フロントリテイリング(株) | 大丸、松坂屋 |
この記事では、売上TOP3のデパートの株主優待について比較、共通点や相違点をざっくりと整理します。
優待内容の詳細は、各社公式サイトをご確認ください。
各社の株主優待カードの特典については、下記の記事に詳しくまとめています。



デパートTOP3の株主優待カードの特典内容を比較
全社とも優待割引率は10 %
3社とも株主優待カードによる自社各店舗での対象商品の買物が10 %割引になります。
優待割引対象は概ね同じ、エルメスやルイ・ヴィトン、シャネルなど一部割引対象除外の商品、サービスがあるのも同じです。
3社の株主優待カードの共通点は、
- デパ地下の食品に利用できる
- セールで利用できる
- オンラインストアで利用できる
- 株主本人だけでなく、家族も利用できる
セールでは、セール価格からさらに10 %割引になります。
株主優待カードはさまざまな商品を10 %オフで購入できるので、活用度は高いです!
レストランやカフェは対象 or 対象外?
優待割引対象で違いがあるのは、レストランやカフェです。
三越伊勢丹HD | 対象 |
高島屋 | 対象外 |
J.フロントリテイリング | 対象 |
三越伊勢丹HDとJ.フロントリテイリングはレストランやカフェで株主優待カードを提示すると10 %割引になります。
高島屋は株主優待割引の対象外。
ちなみに、J.フロントリテイリングでレストラン・喫茶が優待割引の対象となったのは2023年6月1日から。
優待対象は変更されることがあり、全般的に拡大傾向にあります。
株主優待カードの利用限度額
3社とも100株から優待を受けられますが、所有株数によって株主優待カードの利用限度額が設定されています。
利用限度額については各社違いがあるので、わかりやすく整理します。
三越伊勢丹ホールディングスの利用限度額
3月末日所有株数 | 継続保有期間 2年未満 | 継続保有期間 2年以上 |
---|---|---|
100株以上300株未満 | 30万円 | 30万円 |
300株以上500株未満 | 40万円 | 80万円 |
500株以上1,000株未満 | 50万円 | 100万円 |
1,000株以上3,000株未満 | 100万円 | 200万円 |
3,000株以上5,000株未満 | 150万円 | 300万円 |
5,000株以上10,000株未満 | 200万円 | 400万円 |
10,000株以上 | 300万円 | 600万円 |
J.フロントリテイリングの利用限度額
2月末日所有株数 | 継続保有期間 3年未満 | 継続保有期間 3年以上 |
---|---|---|
100株以上500株未満 | 50万円 | 150万円 |
500株以上1,000株未満 | 100万円 | 200万円 |
1,000株以上2,000株未満 | 200万円 | 300万円 |
2,000株以上3,000株未満 | 300万円 | 400万円 |
3,000株以上4,000株未満 | 400万円 | 500万円 |
4,000株以上 | 500万円 | 600万円 |
三越伊勢丹HDとJ.フロントリテイリングは長期保有特典があります。
三越伊勢丹HDは300株以上を2年以上継続して保有すると、年間利用限度額が倍になります。
J.フロントリテイリングは1単元以上を3年以上継続して保有すると、年間利用限度額が100万円加算されます。
高島屋の利用限度額
所有株数 | 利用限度額 |
---|---|
100株以上200株未満 | 15万円 |
200株以上1,000株未満 | 30万円 |
1,000株以上 | な し |
一方、高島屋は長期保有特典はありませんが、1,000株以上保有すると、利用限度額がないのが特徴です!
また、高島屋は2024年8月31日に1対2の株式分割を実施。
株式分割に伴い、所有株数が100株以上200株未満の利用限度額が新設されました。
高島屋の株主優待カードは年2回発行されるので、年間では、100株以上200株未満は30万円、200株以上1,000株未満は60万円になります。
高島屋の株主分割については、下記の記事に詳しくまとめています。

高島屋のみ友の会お買い物カードと高島屋ネオバンク[スゴ積み]と併用可
各社細かな違いはあれ、株主優待を利用するには現金または指定のクレジットカード、指定の商品券類等で支払いをする必要があります。
オンラインストアは現金で支払えないので、さらに支払い方法が限定されます。
他の優待券や優待制度、他の割引及びポイント付与制度との併用はできないのも同様です。
三越伊勢丹HD株主優待カードはエムアイ友の会と併用不可。
大丸・松坂屋お買い物ご優待カードは大丸・松坂屋友の会カードと併用不可。
一方、高島屋は友の会お買い物カードや高島屋ネオバンク [銀行口座払い][スゴ積み払い]で支払できます。
タカシマヤ友の会や高島屋ネオバンク[スゴ積み]は、毎月一定額を12ヶ月間積立てると、1年後に1ヶ月分の積立金額をボーナスとしてプラスされます。
なので、株主優待と併用すると割引率が上がり、高島屋のヘビーユーザーには最強の組み合わせです。
ちなみに、友の会お買い物カードはいよてつ高島屋で、高島屋ネオバンク [銀行口座払い][スゴ積み払い]はジェイアール名古屋タカシマヤ、いよてつ高島屋では利用できません。
三越伊勢丹HDとJ.フロントリテイリングはデパート以外の優待あり
3社とも文化展、美術展等の有料催事に無料または優待価格で入場できる特典があります。
また、三越伊勢丹HDの株主優待カードは、三越伊勢丹グループ内のサービスや利用料、提携施設(ホテル&美術館)の料金が割引になります。
J.フロントリテイリングの株主優待カードは、2025年5月より PARCO の指定ショップで各種特典が受けられます。
大丸・松坂屋お買い物ご優待カードの PARCO で利用できる優待特典については、下記の記事に詳しくまとめています。

デパートTOP3の株主優待を得るための手続き
デパート3社の株を100株以上購入する
各銘柄につき、単元株数である100株以上購入します。
証券会社の検索画面から、社名又は各上場銘柄に当てられた数字4桁の証券コードを入力して検索。
No.1ネット証券ではじめよう!株デビューするならSBI証券権利確定日まで保有すると、優待カードが届く
3社は権利確定日や株主優待カードの発行回数に違いがあります。
権利確定日
三越伊勢丹HD | 3月末日、9月末日 |
高島屋 | 2月末日、8月末日 |
J.フロントリテイリング | 2月末日、8月末日 |
三越伊勢丹HDは3月末日と9月末日、高島屋とJ.フロントリテイリングは2月末日と8月末日です。
権利確定日まで株式を保有すると、保有株数に応じて配当金と株主優待を受け取ることができます。
株主優待カードの送付
各銘柄100株以上を権利確定日まで保有すると、株主優待カードが自宅に届きます。
三越伊勢丹HDとJ.フロントリテイリングは年1回、高島屋は年2回発行されます。
3社とも権利確定日から3ヶ月後には、優待カードを利用してショッピングできます!
三越伊勢丹ホールディングス
対象株主 | 郵送時期 | 有効期間 |
---|---|---|
3月末日現在の株主 | 6月下旬 | 到着日~翌年7月31日 |
9月末日現在の新規株主 | 11月下旬 | 到着日~翌年7月31日 |
J.フロントリテイリング
対象株主 | 郵送時期 | 有効期間 |
---|---|---|
2月末日現在の株主 | 5月中旬 | 到着日~翌年5月31日 |
8月末日現在の新規株主 | 11月中旬 | 到着日~翌年5月31日 |
三越伊勢丹HDとJ.フロントリテイリングについては、年1回の発行。
それぞれ3月末または2月末の権利確定分の株主優待カードは約1年間利用できます。
9月末または8月末の権利確定日に100株以上保有の新規株主には、年間利用限度額を半額に設定した優待カードが発行され、約半年間利用できます。
高島屋
対象株主 | 郵送時期 | 有効期間 |
---|---|---|
2月末日現在の株主 | 5月下旬 | 到着日~同年11月30日 |
8月末日現在の株主 | 11月下旬 | 到着日~翌年5月31日 |
一方、高島屋は100株以上を2月末日または8月末日の権利確定日まで保有すると、約半年間有効の優待カードが自宅に届きます。
株主優待にはメリットとデメリットがある
株主優待はメリットだけではない
ここまで三越伊勢丹HD、高島屋、J.フロントリテイリングの株主優待カードの特典を比較して、共通点や相違点を挙げました。
三越や伊勢丹、丸井今井、岩田屋、高島屋、大丸、松坂屋でショッピングをする人にとっては利用価値が高く、すぐにでも欲しくなるかもしれません。
でも、株式投資にはデメリットもあります。
株主優待目的で株を購入する前に、メリットだけでなく、デメリットも知っておくことが大切です。
株主優待のデメリット
- 資金拘束される
- 株価変動によるリスクがある
資金拘束される
百貨店銘柄の株式を購入して、保有する必要があるため、購入価格分の資金が拘束されます。
資金に余裕があるかどうか、十分ご検討ください。
価格変動によるリスクがある
株価は日々変動します。
上がることがあれば、下がることもあります。
そのリスクを受け容れられるかどうかも十分ご検討ください。
自分が好きな、利用しやすいデパートの株主優待を!
デパートTOP3の株主優待を比較してみると、共通点や類似点があり、概ね同じような内容です。
特に、三越伊勢丹HDとJ.フロントリテイリングは共通点や類似点が多いです。
その一方で、高島屋は2社との相違点がいくつかあります。
株主優待カードが年2回発行され、株主優待カードの利用限度額がなしになるのは高島屋のみ。
1,000株以上保有すると、利用限度額がなくなります!
デパートで高額の商品を購入する人にとっては、株主優待カードの利用額に制限がないのは魅力的だと思います。
さらに、タカシマヤ友の会や高島屋ネオバンク[スゴ積み]は、株主優待と併用すると割引率が上がってパワーアップします。
高島屋のヘビーユーザーや高額の買物をする人に嬉しい特典内容です。
また、高島屋は2024年9月1日を効力発生日として1:2の株式分割を行い、以前より少ない資金で購入できるようになりました。
3社を比較したとはいえ、いつも利用するデパートが決まっていたら、そのデパートで使える株主優待一択です。
なので、この記事は普段から不特定多数のデパートを利用する人や、どのデパートの株を購入するか迷っている人、株主優待に関心がある人の銘柄選びの参考になれば嬉しいです。
株主優待を活用するには100株単位で購入する資金が必要ですが、配当金をもらいながら、デパートで割引が効くので、お得感があります。
自分が好きな、利用しやすいデパートの株主優待を選んで、お得にショッピングを楽しみましょう!