手紙の片づけにはとても苦労しました。
今でこそ、手紙を書くことももらうこともほとんどありませんが、学生時代には海外のペンパルと文通したり、海外在住時には家族や友達と手紙をやりとりしたり、手紙に触れる機会が多かったと思います。
取っておいた手紙が積もり積もって、大量の手紙を収納ケースに保管していました。
大切な人からもらった手紙は、自分で書いた日記とはまた違う意味で手放しにくいものです。
それでも、古い手紙を沢山持っていても読み返さないと思い、1通1通手に取って、本当に残したい手紙だけを残して、あとは全て手放しました。
手紙の片づけについて、1通1通手に取り、気持ちの整理をしながら手放した体験とその後の心境の変化をまとめました。
手紙について思うこと
アナログからデジタルへ
手紙を書いたり、もらったりしなくなったのはいつ頃からだろう?
ふとそんなことを思いました。
時代と共にコミュニケーションツールは大きく変わり、メール、SMS、SNSなどのデジタルツールが主流になりました。
いつの間にか手紙そのものが珍しく感じられます。
手紙ならではの良さがある
速さや読みやすさ、確実性などはデジタルツールが圧倒的に優れていますが、手紙にはアナログだからこその良さがあります。
手書きの文字から、書いてくれた人の個性やぬくもりが感じられ、封筒や便せんから選んでくれた人の人柄や想いが伝わり、どこか愛着が沸きます。
書いてくれた人がいる場所から、はるばる時間をかけて自分の手に届くタイムラグでさえ、手紙ならではの魅力なのかもしれません。
だからなのか、古い手紙を見ると余計に懐かしくなったり、貴重に感じたりしてしまいます。
大量の古い手紙や絵はがきを手放す
イタリアに届いた手紙は帰国時に手放す
イタリアに長く暮らして、初期の頃は日本の友達や家族から届く手紙に励まされたり、元気づけられました。
ポストにエアメールを見つけるとワクワクして、何度も読み返したことが懐かしく思い出されます。
イタリアは郵便事情が良くなかったため、手紙や小包が届くまで何ヶ月もかかったり、とうとう届かなかった郵便物もありました。
そのせいか、日本から海を渡ってはるばる届いた手紙はいっそう大切に思えました。
時の流れと共に、手紙からメール、メールからSMS、SMSからSNS、日本の友達からイタリアの友達にシフトして、段々日本から届く郵便物も少なくなりました。
届いた手紙は大切に持っていましたが、いざ引き上げて帰国するとなると、さすがに全部持ち帰ることはできず、1通1通手に取ってイタリア生活を振り返りながら、そのほとんどを手放して帰国しました。
手紙を手放してからも、送ってくれた友達のことや読んで励まされたり、嬉しかったりしたことは今も心の中に生きています。
実家で大量の手紙を発見
実家に、子供の頃から学生時代、イタリアに移住するまでの古い手紙が収納ケースの中に大量に保管されていました。
全てを残していたわけではないですが、海外のペンパル数人と文通をしていた時期があり、それだけでもすごい数です。
なかでも、オーストラリアのペンパルとは高校生の時から10年以上続きました。
社会人になってオーストラリアで会い、その翌年は結婚式にも出席しました。
手紙が繋いでくれた友達、最高の思い出です。
他にも、学生時代に留学していた時に送ってもらった手紙や大学入学、就職など人生の節目節目に大切な人からもらった手紙などが収納ケースにぎっしり詰まっていました。
1通1通手に取って、手放す
どの手紙も当時読んで大切だと感じたからこそ保管したのだと思います。
改めて1通1通手に取ってみると、懐かしくなりましたが、今でも心が動かされる手紙はほんの一握りで、全てはとっておかなくてもいいと感じました。
そもそも収納ケースにまとめて入れた手紙はその存在を忘れていたことさえあったわけで、見つけた瞬間は懐かしい気持ちになっても、今の自分にとって必要ではないのです。
イタリアで手紙を手放したのが予行練習となり、もう少し傍に置いておきたいと思った手紙だけを残し、あとは全て手放しました。
封筒から取り出した便せんをシュレッダーにかけていると、気持ちがすぅーと昇華されていきます。
大きな収納ケース2個が空になり、心がすっきりしました。
収納ケースも処分して、空いたスペースは今の自分のために使っています。
実家を思い出の品の避難場所にしない
片づけの参考にしている近藤麻理恵さんことこんまりさんの『人生がときめく片づけの魔法』には、きっぱりと『実家を思い出の品の避難場所にしない』と記載されています。
古い手紙を手放してみて、当時の自分に必要ないから、まとめて実家に置いたのだと腑に落ちて、猛省しました。
結局、片づけを後回しにして、その時はラクしたつもりでも、あとあとめちゃくちゃ手こずる羽目になります。
手元に残した手紙とはがきは『見える化』
今の自分に取って大切な手紙とはがきは残す
ほんの少しだけ手元に残しておきたいと思った手紙やはがきがあります。
故人からだったり、今の自分にも響く内容だったり、理由は色々。
ただ、どれも今の自分にとっても大切だと感じた手紙です。
なので、いつでも見れるように1通ずつクリアブックに入れて、デスクに置いています。
自分だけのレター&ポストカードブック
このB6サイズのクリアブックには、以前ポストカードの片づけをして選んだ、心に響くポストカードが1枚ずつ収納されています。
大切な手紙とはがきを追加して、自分だけのレター&ポストカードブックが出来上がりました。
思い出がぎゅっと詰まった1冊です。
全て『見える化』されているので、ページをめくるとお気に入りのポストカードや大切な人の文字が目に飛び込んできます。
もうなくてもいいかなと思ったら、随時ポケットから抜いて手放しています。
厳選されたレター&ポストカードブックはさらにスリム化され、今の自分に合わせてどんどんアップデイトされます。
年賀状の片づけ
古い年賀状は手放す
手紙とは別に大量に出てきたのが、年賀状です。
長年保管していた古い年賀状は潔く手放しました。
年賀状を出すのを止める
過去に届いた年賀状を手放しただけでなく、年賀状を書くのを止めました。
これで今後年賀状を片づける必要がなくなりました。
近年どんどん年賀状を出す人が減ってきているようです。
私の場合、長く海外で暮らしていて、その間は年賀状のやりとりがなかったせいか、抵抗なく辞めることができました。
年賀状を出さなくなって、支障は特にありません。
たとえ年賀状を止めても、大切な人とは電話やSNSで連絡をとったり、直接会ったり、繋がる形はいくらでもあります。
日本のお正月の慣習がなくなっていくのは寂しくもありますが、時代に合わせて変化するものなので、自分に合わないと思ったらきっぱり止めても良いと思います。
片づけは今の自分に向き合う大切な作業
手紙の片づけについてまとめていると、もともと自分はモノを貯めてしまうタイプだと気づきました。
特に買えないモノ、人にもらったモノはなかなか捨てられなくて、色々なモノを貯めてしまう傾向がありました。
でも、その全てを抱えて生きていくのは難しい。
当時は大切だったモノでも、今の自分にはそうではないかもしれない。
結局、使わないモノ、見ないモノをずっと保管しておいても、モノを大切にしていることにはなりません。
今の自分にとって大切でなければ手放したほうが身軽になって、新しいモノがはいってくる場所を空けることができます。
過去に大切だったモノでも時間が経てば変わっていくこともあり、またそのモノ自体がなくなっても自分の心の中に生き続けることもある。
そう思うと、片づけは今の自分、なりたい自分、理想のシンプルな暮らしに向き合う大切な作業です。