たま木亭に並ぶ角食

朝食はご飯派、それともパン派?

パン派にとって、毎日の朝食の定番と言えば、食パン。

京都宇治の人気ベーカリー、たま木亭では、食パンは過去には数種類ありましたが、数年前からは一般的な四角い形の角食のみ。

角食は1日に150本以上が完売する人気のパンのひとつで、平日でも早々に売り切れになることも。

たま木亭の角食を愛食する体験を基に、唯一の食パンとして不動の人気を誇る角食について、特徴、予約方法、楽しみ方などを紹介します。

たま木亭の食パン

たま木亭に並ぶ角食1本と1斤(1/2本)

食パンは1種類、角食のみ

たま木亭で食パンと言えば、一般的な四角い形の『角食』です。

以前は、パン・ド・ミや田舎風山食パンなど、数種類ありましたが、いつの頃からか角食のみになり、今に至ります。

角食はレジ横のショーケースの上段、バゲットの隣に並んでいます。

このコーナーのパンはセルフサービスではなく、レジで店員さんに頼んで購入します。

角食は1本(2斤)または1/2(1斤)単位で販売されています。

店頭に並ぶ1斤は主に5枚切、へた(耳)を落としてスライスされています(落としたへたも袋に入っています)。

または、スライスしていない状態の、ブロックがあります。

レジで頼んでスライスしてもらえる場合もありますが、焼き上がりから時間が経っていないとスライスできないことも。

焼きたての場合は、ハーフサイズ(1斤)にも切れないので、1本単位での購入になります。

なので、好みの厚さ(枚数)にスライスした角食を購入するには前日までに予約するのがおすすめ。

へたからの切り出し(へたを含めて)でスライスしてもらうこともできます。

角食は透明のビニール袋に入れて、開封状態で保管され、ビニールタイが付いています。

角食の値段は?

角食の税込価格は、2026年10月時点で、1斤442円、1本(2斤)885円。

スーパーに並ぶ食パンに比べると高いけれど、高級食パンに比べると良心的な価格です。

この数年は小麦価格や物価の高騰の影響を受け、数回値上げされ、直近では、2025年9月下旬に値上げされました。

それでも、角食のクォリティを考えれば、今のところ買うのを止めようとは思いません。

コスパ抜群なのです。

マニトバ小麦とは?

たま木亭の角食のポップには、

粉の旨みを十分に活かすため、シンプルなレシピを採用。マニトバ小麦一本挽きを使用しています

と手書きで書かれています。

マニトバ小麦とは、もともとはカナダのマニトバ州を主産地とする品種です。

1971年よりカナダ・ウエスタン・レッド・スプリング小麦(CWRS)という呼称になりました。

カナダ・ウエスタン・レッド・スプリング小麦はカナダ中部のアルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州で生産されるカナダを代表する硬質の赤色春小麦です。

カナダ穀物委員会(Canadian Grain Commission)により、NO.1からNO.3までの3等級に格付けされています。

日本は通常NO.1等級(略称1CW)のうち、輸出時のタンパク質含有量13.8%以上のものを輸入。

製粉性と製パン性が優良で、パン用小麦として世界的に最もすぐれた銘柄だと言われています。

日本で消費される小麦のほとんどは海外から輸入

日本の小麦輸入国 グラフ
出典:農林水産省ウェブサイト
小麦はどこの国から輸入されているのか教えてください (農林水産省)をもとに筆者作成

近年、『はるゆたか』や『春よ恋』など、国産小麦を使ったパンの人気が高まっているとはいえ、小麦は国内需要量の約9割を外国から輸入しています。

農林水産省ウェブサイトによると、過去5年の平均流通量(2017~2021年度)は、国内産小麦85万トン、外国産小麦482万トン。

日本に輸入される小麦の大部分は政府が輸入しています。

小麦は生産国から大型船で海を渡って、日本へ。

政府がまとめて輸入し、日本に着いた後に製粉会社に売り渡されます。

日本で使用される主要な小麦のほとんどがアメリカ、カナダ、オーストラリアの3か国で生産される次の5銘柄です。

輸入国小麦の銘柄
アメリカウェスタン・ホワイト
ハード・レッド・ウィンター
ダーク・ノーザン・スプリング
カナダウェスタン・レッド・スプリング
オーストラリアスタンダード・ホワイト

現在、政府が一般輸入方式で買い入れているカナダ産の銘柄が、カナダ・ウェスタン・レッド・スプリング、日本の輸入小麦の主力です。

一本挽きとは?

一般的な小麦粉は、白さを重視するために外皮を取り除き、小麦の中心に近い白い部分だけを使用して製粉されています。

一方、一本挽きの小麦粉は、小麦の粒を丸ごと挽いたあと、ふるいにかけて表皮を取り除いています。

そのため、小麦本来の甘みと香りを存分に楽しむことができます。

たま木亭の角食の特徴

たま木亭の角食

たま木亭の角食は、ざっくりまとめるとこんな食パンです。

角食の特徴
  • カナダ・ウエスタン・レッド・スプリング小麦一本挽きを使用
  • 外皮はもっちり香ばしく、中はふわふわ
  • 風味豊かなクラスト
  • 毎日食べられる唯一の食パン
  • 賞味期限は1~3日

カナダ・ウエスタン・レッド・スプリング小麦一本挽きを使用

角食には、小麦の素朴な風味が楽しめるカナダ産の良質なカナダ・ウエスタン・レッド・スプリング小麦一本挽きが使用されています。

一本挽きの価値を引き出すために、3種類の生地種で発酵熟成されているそう。

良質な小麦と玉木シェフの職人技が掛け合わされ、小麦本来の甘みと香りを存分に楽しめる角食が焼き上がります。

外皮はもっちり香ばしく、中ふわふわ

たま木亭のパンは全体的に表面はしっかり焼き色がつき、生地の香ばしさが感じられます。

角食も例に漏れず、パンの外側の焼き色がついた部分(クラスト)はこんがりと焼き上がっています。

上部はパリッとした層があり、より香ばしい風味。

もっちりと弾力のある生地です。

外皮の内側にあるやわらかい部分(クラム)は、ところどころに気泡がありながら、キメが細かく、ふわふわ。

口に入れると、しゅわーっととろけていきます。

風味豊かなクラスト

角食の袋を開けると、小麦の風味がふわっとします。

毎回この瞬間がたまりません!

個人的には、角食の魅力はクラストにあると思います。

もともとクラスト好きの少数派。

予約する時はへたからの切り出しで5枚切りにしてもらいます。

そのへたがついた1枚に目がなく、特に角食のへたつきトーストは格別です。

もっちり香ばしいクラストに包まれたふわふわのクラムとのマリアージュが絶妙。

バターと蜂蜜、チョコレートスプレッド、ピーナッツクリーム、あんペーストなど濃厚なスプレッドをつけるのがお気に入りです。

毎日食べられる唯一の食パン

たま木亭の角食は毎日おいしく食べられる数少ない食パンです。

高級食パンがブームだった頃には、私自身、さまざまな食パンを食べ比べました。

なかには本当に美味しいと思える食パンもありますが、大体が一回限りのお試しに。

特に生地が甘めの高級食パンはたまにはいいけれど、クセが強くて毎日食べ続けたいとは思えません。

一方、たま木亭の角食は、そのシンプルさから、毎日食べていても、また明日も食べたくなる、唯一の食パンなのです。

名だたる高級食パンを試して、よりいっそうたま木亭の角食が好きになり、そのすごさを実感しました。

賞味期限は1~3日

食パンは買ってきた翌日以降に食べる人が多いと思います。

袋には特に賞味期限は記載されていませんが、早く食べるにこしたことはありません。

市販の食パンと比べて、角食は時間が経つと風味は落ちていきます。

常温で保存すると、翌日には若干水分が飛んで形が変わっているように見えます。

以前、梅雨の時期にうっかり常温で保存して、4日目にうっすらとカビが生えてしまったことがあります。

痛恨の極み!

以来、購入日か翌日には2、3日以内に消費できない分を1枚ずつラップに包んで冷凍。

ふんわり香りが立ち上がる、柔らかな角食を冷凍する度に罪悪感を覚えますが、それでも最後の1枚までおいしく食べるにはやはり冷凍に頼るしかありません。

でも、やっぱり冷凍した角食よりも、常温で保存した角食の方がおいしいのは言うまでもありません。

たま木亭の角食の楽しみ方

たま木亭の角食(1斤)5枚切り

角食は予約購入がおすすめ

人気のパンは平日でも午前中に売り切れることもあり、角食もそのなかのひとつ。

たま木亭公式インスタグラムによると(少し古い投稿ですが)、1日150本完売しているとか。

でも、角食は予約できます!

2026年3月以降、予約ができる唯一のパンなのです。

1家族2本まで。

店内には、予約済みの角食がずらーっと並んでいて、圧巻の光景です!

確実に購入するには、前日までに電話予約することをおすすめします。

店頭販売を確保するために、予約枠が設けられているので、予定が決まっていたら早めに予約すると安心です。

予約時に自分好みの枚数を伝えると、スライスした状態で受け取れるのも予約購入のメリットです。

私自身はクラスト好きなので、へたを入れてスライスしてもらっています。

へたを落とさない分、1枚が少し厚くなるのもメリットです。

へた付きの1枚が思いっきり分厚くて、嬉しい悲鳴をあげることも!

予約したパンを受け取るだけなら、行列ができていても、警備員さんに断れば並ばず入店できます。

なかには、予約したパンを受け取る際に、次の予約をする常連さんもいらっしゃるようです。

朝のトーストはもちろん、手作りのサンドイッチにも

食パンは朝食にトーストする人が多いのではないでしょうか?

私自身、朝食はずっとパン派。

クロワッサンや菓子パンの時もあるけれど、毎日だとコストもかかるし、飽きてしまいます。

なので、基本はトースト。

トースターを買い換えてから、角食がよりいっそうおいしくトーストできるようになりました!

こんがり焼いた食パンにバターやジャム、時には濃厚なスプレッドを塗っていただきます。

小麦粉の風味を生かしたシンプルな角食は何にでも合い、そのおいしさを引き立ててくれます。

言わば、白米のような存在。

毎日食べても飽きが来ません。

また、買った当日がベストですが、翌日までならそのままでサンドイッチにするのもおすすめです。

ハムやチーズ、野菜など自分好みの食材を準備して、角食で挟むだけでとびきり美味しい自家製サンドイッチが出来上がります。

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たま木亭の基本情報

住 所京都府宇治市五ヶ庄平野57-14
TEL.0774-38-1801
営業時間8:00~18:45
定休日月曜日、火曜日、水曜日
アクセスJR奈良線黄檗駅 徒歩5分
京阪宇治線黄檗駅 徒歩6分
専用駐車場完備 32台
公式ウェブサイトhttp://www.tamaki-tei.com/

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角食は毎日食べてもまた食べたくなる

角食って、なんだか飾り気のないネーミングなのですが、中身はスゴイ食パンなのです!

記事を書きながら、シンプルで素朴な食パンだからこそ、あえてこの名前が付けられたのかもしれないと思いました。

角食は惣菜パンや菓子パンに比べると地味かもしれません。

でも、ずっと食べ続けたいと思える、数少ない貴重なパンなのです。

特に、クラスト好きの人にとっては、最高の食パンだと思います。

たま木亭の理念は、

ひとつひとつのパンに思いを込め、わざわざパンを買い求めに来て頂いたお客様にそのパン自身が持っている魅力を最高の状態で伝えたい

期待して来店されるお客様に対して、それ以上に感動してもらいたい

その思いは、店舗に並ぶ焼きたてのパンたちにしっかりと宿っています。

まさに、角食を食べると、愛情を込めて焼き上げられ、最高の状態で送り出されていることがわかります。

並んででも、買って良かったと思えるパン、毎日食べてもずっと食べ続けたいパン、なかなか出会えません。

新しいパンや新しいベーカリーはとりあえず試すけれど、結局はたま木亭の角食に戻るのです。

明日の朝のパン、たま木亭の角食があれば最強です!

▼オーナーシェフ玉木潤さんの『忘れられないパン 「たま木亭」』はこちら